BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

壊れたカサにまつわること、あるいは学習塾の思い出。-180823。

きのうはかなりよく眠ることができた。
ひさしぶりにお薬にたよらずに眠れた。

台風接近の影響で
ひどくめまいがする。
腕の古傷も痛む。
こういう人は意外にたくさん
いるんじゃないか。
天気図をみるかぎり
直撃ではなく
はじっこのほうが掠める程度のようだ。
いまはひどく体調が悪いが
あすの夜には楽になるのではないか。

風が強くて雨もふっているときに
ひとりで外を歩いていて
カサが「おちょこ」になると
なにか非常にきもちが落ち込む。
ひとりだから
「あーあ壊れちゃった」
とかボヤく相手もいないし
ひとりだから
連れのカサにいれてもらえるわけもないし
だから壊れたカサをもって
風にうたれ雨にぬれながら
歩くしかないが
それがどこからどう見ても

「カサがおちょこになって
使えないのでどうにもしかたない人」

な かんじで、みじめったらない。

ぶざまで みじめだ。
壊れたカサにまつわることはすべて。

壊れたカサって、処置にこまる。

学生時代に アルバイトをしてた
小中高生対象の学習塾で、
ある作業をまかされたことがあった。
長年にわたり、たまりにたまった
「生徒たちが忘れていったとか何らかの事情で、
校内に置きっぱなしで持ち主不明となっているカサ」
の、一斉処分だ。

塾内の誰かの持ち物だったことは
ほぼたしかなわけだから、
むろん、できるだけ
持ち主に返す工夫はした。
猶予期間をもうけたうえで処分したのだ。

すべて水で洗ってきれいにふいて、
青い巨大なバケツに
何本かに分けて いれ、
「何月何日に処分するから
自分やきょうだいのものがあったら
引き取るように」
と 全校広報してもらった。
何本かは名前が書いてあったから、
在校生であれば本人に返し、
卒業ずみの生徒であれば、
そのきょうだいが在校の場合あずけて持ち帰らせ、
また、運よく保護者がなにかの用事で来校して
そのときわたしも覚えていれば
お宅の子のカサがありますと言って
わたすこともあった。
そんなことを
2週間くらいやってから
いよいよ処分、としたわけだ。

だがそれだけやっても
あの青い巨大なバケツから
持ち主のもとに帰ったカサは
10本もなかったとおもう。

洗って拭いたときに
気づいてはいたのだが、
あれらの8割がたは、
直しようもなく壊れてた。
強風の日などに、
塾にくるまでの道のりで壊れたんだろう。
雨だったから塾にくるときはカサをさしていたけど
塾を終えて帰るころには雪にかわるなどすれば
カサは用をなさなくなったろう。
かえりは保護者か塾の送迎があるから
カサがなくてもいいのだ。
よって、なかば捨てるようなつもりで
塾に「忘れていく」。
それがあれらのカサが
「持ち主不明」となった
おおかたの事情にちがいない。

ということは 捨てたのだ。
捨てたものを掘り返されたうえ
ピカピカに磨かれてハイこれとつきつけられ
うれしい生徒なんかいるわけない。
持ち主の手にもどった幾本かのケースも
わたされたとき「え~」という反応を
露骨にした子はさすがにいなかったが
内心「なんでいまさら」とみんな思ったとおもう。
持って帰っても、
もう使えないんだし、
ていうか処分のしかたも
よくわからんし。ということだ。

処分のしかた。
カサはこれがじっさいよくわからない。
壊れたカサを おうちの人が
どうやって処分しているか、
見たことがある子どもって、
どれほどいるんだろう。

かくいうわたしも
カサの処分作業をしたから
処分のしかたを知ったわけで。
それはこの大学生のときのことだ。

カサは
最後まで使って、
どうしてももう使えそうにないとなったら、
しかるべき手順をへて処分するもの
ではなく、
「いつのまにかなくなるもの」
に なっちゃってる気がする。
いつからこうなったのだ。
よくよく考えるにつけ ゆゆしいことだ。

当時 バイト先の学習塾があった地域の
ゴミ収集規定によれば
たしか、一般的なカサは。「資源ごみ」。
5本くらいずつビニールひもで束ねて
資源ごみの日にだす。
それでよかった。
ちなみにさっき調べたところ
いまは、大枠では粗大ごみみたいだ。
布のところをはがして
骨組みだけにしたら、
その骨組みは「金物類」。
はがした布はたしか資源ごみ。
だが分解しないで何本か束ねてだすことも可能で
その場合 「粗大ごみ」。
粗大ごみの場合
処分するのにお金がいくらかかかる。
※規定は各自治体の公式サイトなどで確認されたい。

あのとき最終的に学習塾からでた
処分対象のカサは、
いまでもはっきりと覚えている
153本だった。