BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

手記-其の弐拾弐(仮題)-20171214-開戦前夜-1。

いろいろ足りてないな!
説明とか、注釈とか、前提の解説とか、あと
文章力とか!
そう いつも感じている。
劇的に改善されるとはおもってない。
でも変えていきたいとはおもっている。

が、とりあえず進める。このまま。


労働組合総合サポートユニオンをとおして、
職場に 団体交渉申し入れ書を送付し、
団体交渉を申し入れますという旨
電話でも直接 専務に伝えた。
申し入れ書には、わたしの要求の内容も記してある。
要求とはおもに
・未払いの残業代の支払い
・2017年11月のおよそ1か月間にわたっておこなわれた
 編集長によるパワーハラスメントの認知および謝罪
・過労とおもわれる症状で倒れ
 結果 退職せざるをえなくなったことについて
 むこう最低半年の賃金保
の 3つだ。
未払いの残業代がいくらになるのか、ほんとうは
申し入れ書を送るにあたって こちらで正確に計算し、
「●●円の残業代があるはずなので払ってください」と
言えればそれが一番はやかった。でも、
雇用契約書や給与明細の記載に不備があるため
明確な額までは、わからなかった。
計算を確実して 要求をしなおすために、
過去のタイムカードやビルの入退館データも
提出してくれるように 
申し入れ書には書いてもらった。

これらについて、会社にはまず書面で
回答をもらうことになっている。
回答期限は2017年12月22日、だいたい10日後とした。

ここからは、職場の反応しだい。
期日まではもう、
とりたてて、やらなくちゃならない作業はない。

まだ職場に籍があるけど、
出社はやめたし、もう行くつもりはない。
およそ5年ぶりに 
ほんとに明日の仕事のことを
まったくなにひとつ気にしなくていい
「休み」というのが始まったことになる。
これを休みと解釈していいのか
どうなのか わからないけど。

・・・

この職に就いてからは、
ほんとうにずっと働いてた。
ずっといつもなにかをやってた。
「なにもない」なんて日はありえなかったし
頭をやすめたことも まずなかったとおもう。

ひどいカゼでもひいて もうこれは無理というときや
外にいたら息もできないくらいの 荒天でもないかぎり
出社して仕事をしてた。

休日もよほどのことがないかぎり 外出してて
美術館にいってみたり映画をみたり
音楽をきいたりしてた。
移動中にはなにをしてたかというと 本を読んでた。
なにか絶えず頭にいれて、何かを思って、考えてないと、
できない仕事である(とわたしは認識してた)からだ。
そもそもわたしの性分であるし、
こんなことしたくない、なんて思ってはいなかった。
仕事のためでも、楽しかった。
刺激的だった。麻薬みたいなものだった。
でも なくなった。
なくなったし、
やりたくてももうできそうにない。
つい2か月まえまではやっていたのに。
体も頭もいまや動かなくなった。

このころ 
自分の変化が顕著なあまり不安になって
携帯電話のメモ機能を利用して
記録しておいたものによれば

物が持ってられない
すぐ落とす
開けられない(※ペットボトルのフタとかドアノブ)
転ぶ
レジでもたもたする
お金の判断できない
日にちまちがえる
約束を忘れる
言い間違い
本読めない 意味が理解できない
食器棚やドアにぶつかる
メガネ意味なし ものが二重三重
頭に膜がはったようなかんじ
指がしびれる
自分が言っていることが、ほんとに言いたいことか
わからない
思ってることと違うことが口をついて出る

・・・
かなりヤバいことが書き連ねられている
・・・

G夫妻は
傷病手当金をもらって休めるようになったら
体調をみながら 元気なときは会って 
一緒にいろいろなことをしよう。
なにがYちゃんにとって楽しいことか
どんなことをこれからやっていきたいとおもうか
いろんなことをやってみて、探していけばいい」
と言ってくれていた。

しかしながら、
いろいろなことをしよう、って なんなのかなとおもう。
仕事じゃない楽しいことってどういうことかとおもう。
仕事をしているときこそ 楽しかった。
そうじゃないことをして 楽しい、というのが
わからない。
かつてはもちろんそんなときもあったはずなのだが・・・。
でも、もう楽しかった仕事はない。
仕事じゃない楽しいことをとおして
楽しいこととはなんなのか考える時間があっても
いいのかなとおもう。
そんなことが自分に可能とは 到底おもえないにしても
G夫妻がそう言ってくれるのは すくなくともわかる。

ただ・・・
G夫妻は、夫妻だから、
困っても、助け合えたりするとおもうけど、
わたしはひとりだ。
わたしは
G夫妻がなにかをわたしにすすめてくれても
一緒になにかをやろうといってくれても
なにもかもまったく言われたとおりに
ふたりとおなじにはできない。

G夫妻はそのようにするのですね、
でもわたしはそこまではできないからここまでです
そう伝えるのつらいなとおもった。
ひとりだからそこまではできない、って言うのは
恥ずかしいことだとおもった。
そうまで言わなくてもわたしがそう思っているというのは
つらいなとおもった。

G夫妻はふたりだけど、わたしはひとりということ
それについて自分がかなりなにか
抱えているということをわたしは感じてた。
それは根深かった。
仕事とか働くとかそういうのうんぬんとは
今回の問題のごく浅いところとは
ぜんぜんちがうところに しかももっと前からある問題だ。
もっといろんなこととすごく関係する。

いまでも ふたりとそれについてちゃんと話してはいない。
でも、話してわかってくれないふたりではないこともわかっている。

でもいつもそんなことを思っていたわけではなかった。
わたしは夫妻が言ってくれたこと、
楽しそうなことを一緒にいろいろやってみて、
これからなにができるか探そう、というのを
たしかにそれはすてきなことだ、
おもしろそうだ、と。

・・・

職場に団体交渉を申し入れた日の翌日 12月14日、
G夫妻のだんなさんといっしょに、
建築家の安藤忠雄展をみにいった。
六本木の国立新美術館
行くのはひさしぶりだった。
過去、直近ではここに何を観にいったんだっけなあ。
大規模な展示、内容がもりだくさん。
そこそこ混んでもいたし、ゆっくりと観ていく。

そこへ、携帯電話にメールが届いた。
職場の女性の先輩からだった。
「ゆうべ23時くらいに、専務から電話があった。
『Yさんに会社のカギとビルのカードキーと
名刺を返してくれって伝えて』って。」

わたし
「え!そうなんですか!!それはすみません。
業務時間外なのに。会社のカギのことだけど、
そういうのを返すのは、退職の意思を明確にする
ことにつながるから、今はまだしないほうがいいと
労働組合の人からアドバイスされているんです。
どうしたらいいか、組合の人に相談して対応します。」

先輩
「そうしてくれー。あんな時間に非常識だわー」
「でもできればわたしの名前とかは組合の人に
言わないで。専務に話がつたわっておおごとになるのが面倒」


先輩とのメールを終え、LINEのグループトークにつなぐ。
ユニオンのおふたりに 先輩の伝言について 相談した。


ユニオンのMさん
「それは本来、組合を通して連絡すべきことですね。」
「社員を通してなら組合員本人に連絡してよいという
ことではないので。専務は全然理解してないですね。」


わたし
「あ、やはりそうなんですね
先輩、すでに社内の仲間とわたしとの秘密の連絡係を
買ってでてくれているので、このうえ副社長からまで連絡きて、
負担に感じたろうなとおもったんですが」


Mさん
「組合から会社に連絡して、そういうことは
しないように伝えます。」
「会社のカギの件は急がなくていいので、いったん
保留で良いと思います。」

わたし
「わかりました。でも、ビルのカードキーは、
会社の入退館データをとるのに必要なんだけど!と
言ってくるんじゃないかな・・・
すみませんが、専務に連絡してくださったら、
わたしに『連絡したよ』と一報いただけますか?」

Mさん
「了解です。専務から先輩への連絡は、
電話でしたか、メールでしたか、また、
先輩のお名前は?」

わたし
「あまりおおごとにしてほしくないと先輩が
言っているんです。」
「できれば先輩のことはださずに
『まさかそんなことはしていないでしょうけど間接連絡もNGですからね』
みたいな形で釘を刺していただけるとたすかりますが」


Mさん
「専務のようなタイプは、はっきり言わないと理解しません。
具体的な事実をあげて、それはやってはだめと
指摘すべきかとおもいます。
先輩は何も悪くなくて、専務がしたことのほうが問題なので、
気になさらなくても大丈夫かとおもいますが、どうでしょうか。」
「この件自体は、指摘して、専務が理解すればそれで
オッケーなので、そんなにおおごとでもないですよ。」


わたし 先輩にメール
「はっきり言わないと理解しないタイプだから
今回はやっぱり ちゃんと言わなくっちゃだめだって。
つまり先輩にゆうべYへの伝言を頼んだみたいだけど
そういう間接連絡もNGだよ、ということを。」


先輩
「やっぱそうなっちゃうよねー。しょうがないか。
専務ってデリカシーってものがないから、
『ゆうべはごめんね!労働組合の人に怒られちゃった!』
とかみんなのまえで平気で言ってくるとおもうから、
それを想像するだけで身の毛がよだつよ。でもまあ
しょーがないよね。」


わたし
「ごめんなさい。
これっきりになるようにきつく言ってもらいますから。」


わたし Mさんに再びLINE
「先輩に、実例として名前をだすことについて了承をえました。」


Mさん
「ありがとうございます。
たぶん、あの専務のタイプを推測するに、
常識のない対応を今後もしてくると思いますが、
その都度きびしく指摘していくしかないでしょうね。
学んでいってもらいましょう。」
「連絡させられた先輩も気の毒ですね。」

・・・

この日21時ごろ、Mさんから
「会社にファックスで、Yさんへの連絡は
組合を通してするようにと申し入れておきました」
との報告。

夜 先輩からメール
「やっぱ職場で
『ゆうべは悪かったね!伝言ならいいとおもったから
つい!』とか言ってきて気持ち悪かった(笑)」

「だとしても業務時間外に女の社員に連絡とか
ダメですよね・・ 男の社員でもダメだけど」

「バカでKYだから言われなきゃわかんないんだよ」
「ところで、会社のNくんがね、
『Yさんと連絡とることがあったら、Aの案件
データ収集いっぱいやってくれてありがとう
ございました、って伝えてください』って」

「あ、よかった。
年末進行まっただなかに
フェイドアウトという罪深いことをしたんで。
せめてもの罪滅ぼしに、いる間にできる仕事は
ちゃんと、とおもって。
A案件のデータは、25も集めればよかったんですけど、
100やってわたしといたんです・・・。
Nくん 怒ってなくてよかった。」

「死にかけたんだから、
少しでも早く辞めるのは当然だとおもってるよみんな。
Yちゃんが仕事納めの日まで出社するって
最初言ってたとき、Nくんは
ぜったいやめたほうがいいのに・・・って言ってたよ。
今度のことで、自分の会社のブラック経営ぶりを
専務が思い知ればいいって、社員のほとんどが
おもってるよ。」
「暮れに、会社の忘年会とは別に、
そういう社員だけで集まって仲間内だけの
飲みをやるから、来れたら来なよ。」

・・・

会社とのつながりは みずから断ったが
職場の人たちとのつながりのいくつかは
これからも続いていきそうだということを
感じられて うれしくおもった。
なんといっても重度のコミュ障ばかりの職場であったから
吹けばとぶような「つながり」なのだが・・・。