BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

hide 20th メモリアルイベント-180429

きのう聴いてきた。

hide20th-spirits.com


いまの自分は 生来の「暑さが苦手」にくわえ
体調の波、人混み不可、「音」への不安、
長時間の移動不可などなど
各種トラップが体の周辺にはりめぐられた状態にあり
野外イベントとか問題外だとおもってきたが
幸運にめぐまれ、行けない要素のほぼぜんぶを回避できた。

正直いうとhideその人のことは知らない。
音楽的にも人間的にも愛された人だということくらいは
一般常識として把握しており、亡くなった日のことも覚えてはいるが

目的は布袋寅泰(^^)

イベントは最高のひとことだった。

オーディエンスはみんなお行儀がいいうえに
すごく自由に この日この時間を楽しんでいた。
会場はコスプレの祝祭と化しており
「(いろんな時代の)hide」「氣志團」であふれかえっていた(^^)
再現度がきわめて高く いたるところで簡易撮影会が発生。
コスプレしてる人たちだって たぶんみんな一般のお客なんだけど
あちこちで「写真撮らせて!」に応じるものだから
休む間もないみたい。
あんな重装備のファッションじゃ、暑かっただろうに
ちょっと調子が悪くなったときとか用のテントに入って 
彼らが一息いれてるとこなんて一瞬もみなかった。
炎天下、襟をゆるめることもなく。

あんまりみごとなコスプレに見入ってしまい
「カッコイイですね!」と声がでた。
目があった氣志團(のコスプレ)さんが
にっこり笑ってうなずきかえしてくれたのが思い出にのこった(^^)

聴きたかったのは布袋寅泰だが
このイベントのおかげでZIGGYのファンにもなりそう。
なにより森重樹一
もう55歳にも手が届くというのに なんだあの声。
周りが言うには、のどが枯れてて力がぜんぜんでてなかったそうだが、
あれで完成形ととらえてもいっこうにさしつかえない。

なんでいままでこのバンドの音楽をちゃんと
聴いてこなかったものかと。
ガンズとかモトリークルー聴いてれば、
ふつうにいつかは出会ってそうなものだが、
存在さえしらなかった。
おもえば友人にZIGGYのファンが何人かいる。
言っておいてライブに誘ってもらおう。

布袋寅泰はすごかった(^^)
長身で足が長く、細いのにがっしりとしていてかっこいい。
ステージのはじからはじまで走りまくるばかりか、
ツイストステップは踏むわ飛ぶわ跳ねるわ
しかも音も声もまったくみだれない。
ライブが命の人なんだろうな。
立って動いて弾くことに慣れているかんじだ。

布袋寅泰の音楽って、彼のファンじゃなくてもわりと
口ずさめるナンバーが多い(キャッチーで覚えやすい)。
演奏をまともに聴いてみておもったんだけど
五音音階をあんまり使わないからなのかも。
五音音階だと民族音楽っぽいような予期しにくい音の動きがうまれ、
独自性が出しやすく、変化に富んでカッコイイ。でも、
ドレミファソラシド基盤のほうが みんな聞き慣れているし、
次はこの音がくるなと予感しやすく、聴くとほっとする。
だから覚えやすくもなるのかなと。
ちゃんとは音楽を勉強しなかったけど、ピアノくらいは
1~2年ならった・・・みたいな人に
ペンタトニックではなくドレミファソラシド、
ふつうの西洋音楽由来の音階をベースとする音楽を
作る人が多いようにおもう。
ピアノもなにもぜんぜんならってないと
ペンタトニックでもなんでも無自覚にぶちこんだ音楽を作ってきて、
破壊か、または革命かみたいな 話になってくるとおもうのだが。

※いやあそもそも ピアノもなにもぜんぜんならってないのに
音楽で自分を表現しよう、ということになる人というのが
この世にいることを知るにつけ
その発想の飛躍というか勇気というか無謀というか
いったいなんなのかといつも思う。
ならったことなく楽譜も読めないのに、
音楽やろうって思うってどういうこと。あまりにもすごい。


耳にするとほっとする、
布袋寅泰がそうした気持ちを聴く人にもたせたいのかはわからない。
安心感よりスリルを挑戦を予測不可能性を追求してこそ
ロックだ、とか彼なら言いそうだ。
でも、音楽的には安心感を、親しみやすさを
聴く人にあたえる結果となっているみたい。
本人が知ってうれしいかはべつとしても
それが愛される秘密だとしたら 音楽って複雑。

なんでも布袋寅泰がいうには hideと親交はあっても、
ステージで共演する機会はついになかったのだそうで、
「いっしょにやってるきもちになりたい」と
hide愛用のギター(フェルナンデスのMG-X?)のボディに
「ギタリズム」の あの幾何学柄を施した
特注の1本で「ロケットダイブ」を聴かせてくれた。

連れが「年寄りほどよくしゃべる」とつぶやいてたのがおもしろかった。
出演順が先だった若手のJやdefspiralは 思えば比較的
演奏中心のステージだったんだけど
たしかに氣志團(は ちょっと別か)以降ベテランの
ZIGGY布袋寅泰になると 人生とか命とか
熱く語る場面がおおかった(^^)