BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想をおもに記録しています。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

カラヴァッジョ。

カラヴァッジョのことを思う。

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(オッタヴィオ・レオー二作の肖像画 パブリックドメイン

心って、かきむしるように、血のにじむようにかなしい。

人並みはずれて敬虔な男だったようだから、
病んだ者、心貧しき者こそ救われる、
という教えを 知っていて、心の支えとしてたはずだ。

でも、
法悦のマグダラのマリア」や

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(Mary Magdalene in Ecstasy パブリックドメイン
左の目もとにかすかに涙。


ゴリアテの首を持つダビデ

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(Davide con la testa di Golia、パブリックドメイン
ゴリアテの顔がカラヴァッジョ自身、
ダビデの顔は同性の元恋人か、あるいは
若かりし頃のカラヴァッジョと考えられているとか。

…のような、自らへの慰藉や自虐をこめた絵を描いたのは、
安寧がえられず
改悛を形にせずにいられなかった、
赦しがあるという確証がほしかった、
社会的に要らないと言われたくなかった
そんなきもちのあらわれでは。

若くしてローマ教皇肖像画を描いたほどの
スターだが、名声と裏腹の、みじめな戦い。
芸術家は血を吐くように描くという。
天才とか、簡単に言ってはいけない

俺もみんなのようにちゃんとした人だったら、って
思ったこと、一度や二度じゃなかったろう。
でもできなかった、
少しの辛抱ができず失敗ばかり、
ガッカリされどおし、自分も苦しみどおし、
生涯と作品から、そんな彼がみえる。

カラヴァッジョがいとおしい。