BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

けっきょくミケランジェリに帰ってくる

ベネデッティ・ミケランジェリ
自分の状況とか環境がどうであれ、彼の演奏はすきです。
音楽か・・あんまりいまはいいや・・でも聴くとすれば・・・
そんなとき、還りたくなる演奏家です。

この人の録音の残りかたは、移り気で散漫。
あったりなかったり
録ってたり録ってなかったり
そろってたりバラバラだったり
そして異常といってもいいほど せまいレパートリー。
そんなところがまた この人らしいというか。
気にしいで神経質で完璧主義なくせに
ポヤ~ンとした印象で すきではありますが・・。
ドビュッシー前奏曲集(第1集、第2集でひとそろい。)も
第1集は容易に入手できたけど、第2集が、みつかりにくいという
よくわからないことがおこり、困らされました。


www.youtube.com

 

これは第1集、78年の演奏だそうです。
CDもっているんですけれど(下のリンクのもの)
オフィシャルかな、これ。なんとなくあやしい。
ミケランジェリは 海賊版も多かったとききます。

goo.gl


かつて動画共有サイト
この ラヴェルのピアノコンチェルトの演奏動画に
初めて触れたときには、うちのめされました。

www.youtube.com


会社で徹夜した日に
もう自分以外にだれもいないんだからとヘッドホンをはずし、
洪水のような大音量でこの曲を聴きながら
仕事をしたことをおもいだします。

オーケストラは じょうずかどうかで言えば
微妙・・・ですかね。しかし、グルーヴ感みたいなものと、
指揮者がミケランジェリによせる信頼、
まんざらでもないミケランジェリ
そんなかんじのことが伝わる演奏なのが、良いです。
スピード感もこのくらいがちょうどいい。
ピッコロとトランペットが
ギリギリのラインでふんばっててかわいらしい(^^)
もっとメジャーなオケで、もっと退屈な、
戦意の感じられない演奏をしている盤を
いくらでも聴いたことがあります。

ミケランジェリのピアノの音は 
こんなにやる気なさそうに弾いてるのに
どこまでもすきとおって、ここちよく冷たいです。
でも硬さや重さとは無縁、するするとのびて、
うつくしい。すきだなー。

ただ この動画は 彼の晩年のものと見受けます。
たしか90年代の中ごろ亡くなったはずで、
90年代初頭のコンサートが最後になった と聞いています。
コンチェルトの動画は 82年とあります。

すばらしい演奏で わたしはすきですが、
彼の若いころの演奏を聴くと
音のハリが・・・残酷なほどあきらかにちがいます。
もっとはずんでいて、キレを感じます。

さきにのべた ドビュッシー前奏曲で、
60年代の演奏動画がありました。

www.youtube.com


粒のそろった硬質な音色がめだちます。
ルバートをあまり意識してないかんじでしょうかね?

それに、若いころは いくらか意欲的なアクションで弾いてますね。
78年の同曲の動画でも 82年の ラヴェルの動画でも、
こんなふうに前傾姿勢で弾く姿なんて 見られません。

晩年にいたり体はどうしても弱るので
ハリのある音や疾走感を前面に押し出すことは
むずかしくなった一方で、
むしろ力は いいかんじに抜け、
どこまでも広がり のびやかに歌う演奏を
獲得していったのだろうと。