BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

R・シュトラウスの「サロメ」。ブラスフェスタ多摩2017。-170320。

9時くらいにおきて何冊か本をよんだ。

そのあとDVDで「サロメ」をみた。

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www.universal-music.co.jp

R・シュトラウスのオペラ。
コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
ドホナーニ指揮
リュック・ボンディ演出のを
もっている。

カナーンが、サロメの愛情に、
関心がないわけではないかのように
演出しているのが このバージョンの
特徴ではなかろうか。
カナーンが、
すがってくるサロメを追い返したり
ヒザにしがみつくサロメの頭を
両手でかかえたりする
手つきが、ちょっと、やさしい。
サロメの誘いに
懊悩しているようにみえるのだ。

サロメ役のキャサリン・マルフィターノは
オペラ歌手であって
ダンサーではないのに
「七つのヴェールの踊り」を
ちゃんと踊っていて えらい。
キャサリン・マルフィターノは
このDVDの収録のとき
たぶん50歳はとうにこえていた。
なのにそうとはおもえないほど
踊りに迫力があり、
自信に満ちてすごくきれいで、
みていてドキドキさせられる。
こういうのこそがほんとうの
セクシー、ということではないだろうか。
最後のほうは、つかれてくるらしく、
足がぜんぜん上がってないけど(^^)
むりもないとはおもう。
しかも10分くらい踊ってそのあと
やすみなく、長い歌をうたうんだよ。
ものすごく殺生なオペラだ。

衛兵部隊長の
自殺にいたるまでの心の動きを
もっとちゃんと描いてほしいような気もする。
何度みても、なんで死んだの?
ってかんじがする。
愛しいサロメがヨカナーンイカレていくのを
これ以上みるくらいなら死にますという
ことだというのは 理解できるのだが、
やや唐突におもえるのだ。

ユダヤの祭司たちのところや
ヘロデ・アンティパスの狂いっぷりは
とても観ていてたのしい。

オスカー・ワイルド
やっていいこと わるいことというのを
考えない人だったんだな とおもうけど
それなのにぜったいに
品位をそこなわないし、深い。
そして、いつまでも古びない。

歌劇サロメのDVDは
ほかにもいくつか
図書館の視聴覚サービスなどで観て 
比べたこともあったが
もうこのコヴェントガーデンので
観慣れちゃった。
でもほかにもいいのがあったら
みてみたいかなあ。

・・・

夕方からは、多摩センター駅にある
パルテノン多摩というホールにいき
「ブラスフェスタ多摩2017」という
吹奏楽のイベントを聴いてきた。

(BRASS FESTA多摩 2017
パルテノン多摩、15:00開場、15:30開演)

関東県内の高校の吹奏楽部や、
一般の楽団などが出演して演奏し
さらにさいごにはそれらのメンバー
+公募参加のプレイヤーの
巨大合同バンドの特別演奏がおこなわれた。
この合同バンドに友人が参加したので
聴きにいってきた。

高校生たちの演奏は
きらきらしていてとてもよかった。
でもなんだか それを見るのが
たまらなくはずかしかった。
自分もおなじ道をとおってきたので
いろいろなことを思い出して
彼らをみていることが
それはそれは尋常でなく恥ずかしかった。
ほとんど赤面しどおしで
下をむいて、顔を両手でおおい、
目をつぶって聴いてた。
まわりからみたら 
この人なにやってんだろうという
かんじだったにちがいない。
とにかくはずかしくて。

でも、高校生たち、とてもかがやいていた。

片倉高校の演奏は
折り目正しく、正統派そのもの。
決然としつつも 
音のしっぽの処理にこまやかに
気を遣っているせいか 
とてもやわらかい感触の演奏で、
彼らの誠実なきもちが伝わった。
スキでやっているんだな
というのがわかるのだ。

永山高校が披露したマーチングも
元気いっぱいでかわいらしかった。
バスーンが、マーチングに
ちゃんと参加していたどころか
むしろほかのどの楽器の子よりも
動きがキレッキレだったのは
みていて驚いたし、応援したくなった。
あんなに動きまくって 
クルークがひん曲がらないか
またはリードがぱっきり割れて
口の中が血まみれにならないか
はらはらしたけども
意外とそんなことにはならないようだった。

中学校のときに1回だけ わたしも
自分の部活でマーチングにトライしたので
参加したけども、
そのときはバスーンではなく、
臨時で打楽器に入れてもらって、
グロッケンを演奏した。
オーボエの子も、打楽器に入ってたな。
バスーン
マーチングできるなんておもってなかった。

コンクール全国出場常連校として有名な
淀川工科高校の指導者・丸谷明夫氏が
片倉高校と合同バンドの指揮をしていた。

わたしは丸谷氏におそわったことが
あるわけじゃないからわからないが
もし自分が あのバンドのバスーンの席にいて
丸谷氏の手がける練習に参加したとしたら、
たぶん、たのしいだろうなとおもった。
というのも、プレイヤーたちの表情が
とてもなごやかで、不要なストレスを 
かかえてないようにみえた。
わたしも片倉高校や合同バンドの
演奏を少しも緊張しないで聴けた。
ライブって、聴くだけでも、
なんだかイヤに緊張することや、
聴いていてたのしくない、
力がはいるなあ、と感じることが
ままあるものだ。
でも、かれらの演奏には、
そういうのがなかった。
だから、きっとみんな 
練習がたのしかったし、
練習をまたしたいと おもうような
練習だったんだろうなと。
またとないステージに立っているんだろうなと
そうおもいながらたのしんで聴いた。

ラストの合同バンドは
総勢170名だかいたようで、
演奏はものすごい迫力。
フォルテやピアノのコントロール
まったくきかないようだった(^^)
ステージの床が抜けないかどうかが
いちばん気がかりだった。

若い人たちの熱い演奏が
きけてたのしかった。

自分はもう吹奏楽はやらないかも。
とにかく、なんかもう、
はずかしかった。
いろいろおもいだしちゃって。
もうあのようには自分はできない。
わたしにとっての吹奏楽は 
すぎさった青春そのもの。
それにわたしは
バスーンのプレイヤーだから。
また団体やるとしたら
今度はオーケストラか
アンサンブルをやりたい。