BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』-161203。

原題:Fantastic Beasts and Where to Find Them
デヴィッド・イェーツ監督
2016年、米・英

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www.youtube.comwwws.warnerbros.co.jp

この公式サイトはなかなか意欲的でいいね。



すごくよかった。
いままでどんな映画でも
みたことがないような
映像をいっぱいみられた。
あとエディ・レッドメインが最高だ。
エディ・レッドメインが最高。
この映画をみたことは
すごくいい思い出になった。

それぞれのキャラクターや
その心のなかをもう少し
しっかり描いてほしかった。
というのも 
キーパーソンはみんな、
すごい力やよい心を
ちゃんと持っているのに、
不器用で正直すぎるあまり、
社会でうまくやっていけない
という人たちだったからだ。
ストレートな意味での
ヒーローなんかはひとりもいない。
みんなついつい共感してしまう 
ちょっとめんどくさくて
でも人間的で・・・そんな
いい個性があった。
個性のかたまりどもだったのだ。
もっと彼らの
キャラクターをみてみたかった。
実際、そういうこと、
けっこうやりたそうなにおいを
かんじたけどねえ。
でも見せ場をほかにもたくさん
つくらなくちゃいけないから
時間がなかったのかも。
わたしとしては、
全体をあと30分のばすか、または
ニュートのトランクの中身を
みせる時間を5分けずり
登場させる魔法生物を
1種類でもへらしてたら
もうちょっと人間たちを
掘り下げることができたと
おもわなくもない。
雷雨を起こす鳥と
サイズが自在に変わるヘビは、
ばかでかいという点がおなじだから、
どっちかひとつでもよかった気がする。
暴論だけど(^^)

それにしても
「オブスキュラス」の
持ち主がだれか、という
ミステリーパートにはやられた。
脚本の上で 完全に
コロコロ転がされてしまった。

米国の魔法界当局の
エージェントたちが、
めちゃくちゃに破壊された
ニューヨークの街を、
魔法で復旧していくシーンがあった。
街を歩きながら杖をゆらすだけで 
壊された建物とかが
全部もとどおりになっていく。
あのシーンの美しさと独創性には
胸をうたれたなあ。
エージェントたちが
みんなモブキャラなのがよかった。
半壊した街をもとどおりにするくらい
大魔法使いじゃなくても朝飯前 
というのを見せることによって、
魔法の強大さと底知れなさを
表現したのかなとおもうのだが。
でもそれだけでなく、
とにかくとほうもなくきれいで。
あのシーン。
けど いくら魔法とはいえ
死んだ人や負傷者を
もとにもどすことはできない
とおもうんだよね
もとにもどすというか、
なかったことにするというか。
あの大騒動のなか、
死人やけが人はゼロだったという
ことなんだろうか(^^)
遺族や、けが人たちの記憶は
どうなったんだろうか。
都合のよいべつの記憶に
おきかえられたんだろうか。

ハリー・ポッター』シリーズの舞台が
英国であったせいか、
いまや魔法の世界というと
思い浮かぶのは
どんよりくもった空
薄暗い森、寄宿学校・・・
そんな気がする。
そこへ
魔法の世界と「ニューヨーク」
の組み合わせをもってこられると
違和感をおぼえる人もいるのだろう。
個人的には、
その違和感こそが
かえってよかったような気がする。

ぐっときたね 
あの街の復旧シーンには。
あれをみるために
もう1回くらい映画をみてもいい。