BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

就職支援センター。「屋根の上のバイオリン弾き Fiddler on the Roof」(1971)。

市立図書館で準備をしてから、
就職支援センターのおねえさんと面談。


書類選考がある会社を3社受けるので
職務経歴書を添削してもらった。
まだまだ内容的に全然だめだなあ・・
つい長くなってしまって、
これじゃあ先方が、読むのめんどくさかろうと思う。

そのわりに自分の特質とかがあまり明確にPRできていない。

でも書くことなにも思いつかなくて
「もっと書け、もっと書け」と言われるよりは
書きすぎて「削れ」と言われるほうが
書く立場としては楽だ。

とりあえず削ろう(-_-;)

 

 


橋本にくると
映画館にフラフラと吸い寄せられてしまう。
そこに山があれば登る、登山家と同じ感覚。

運良く、観たいのがなかったから、浪費をせずにすんだ。

 

かわりに また図書館に戻って、視聴覚サービスで
屋根の上のバイオリン弾き
Fiddler on the Roof、ノーマン・ジュイソン監督、1971年、米)
を観た。

movie.walkerplus.com

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ミュージカル映画で、大好きなもののひとつだ。

1971年・・
そんなに前の映画とは、とても思えない。


1920年代くらいの帝政ロシアウクライナ地方が舞台。

そこの、小さなシュテットル
(ユダヤ人が集まって生活している村みたいなものなのだが。)
の人々の物語。

牛乳屋のテヴィエが主人公。
彼は妻と5人の娘とともに、ユダヤ教の戒律と伝統に従いつつ、
楽しく暮らしている。

ある日長女のツァイテルに縁談がまいこむ。
相手は裕福な肉屋の主人で、
持参金を用意できない貧しいテヴィエの家にしてみたら、
またとない良い話だ。

じつはテヴィエは、この肉屋の男とあんまり仲が良くない。
でも、相手のほうはツァイテルにぞっこん。
テヴィエは、お金持ちの家に嫁げば、
娘が楽に暮らせるとおもい、縁談を受けることにする。
しかしツァイテルにはほかに、
心に決めた人がいることが判明する!

結婚は親同士が決めるものという慣習や伝統と、
ツァイテル本人の幸せとの間で悩むテヴィエ。

次女ホーデルは共産革命に燃える学生と恋に落ちるが、
彼は街頭演説をしているところを当局に逮捕される。
シベリアに送られてしまった彼を追いかけたいというホーデル。
娘の身を案ずるテヴィエだが・・・。

三女ハーバは
ロシア人の青年と恋仲に。
この青年はつまりロシア正教徒だから、
ユダヤ教徒のテヴィエたちから見たら異教徒だ。
同胞でない相手との恋を許す、
これはいくら愛する娘のためでもテヴィエには耐え難い。
絶対にできそうにない。
そんなことをすれば「自分が壊れてしまう」。

しかし父から許しをもらえなくて悲しむ娘の姿。
娘を許してあげられない自分自身に、
テヴィエは苦悩することになる・・・。


一方、当局からのユダヤ人共同体への迫害が
すこしずつ、激しさを増していく。

近隣のシュテットルで起きたらしい不穏な出来事のうわさが飛び交う中、
テヴィエは、自分たちのシュテットルの監視をしている
ロシア人の幼なじみから、
「上の命令で、近く、お前たちの村を襲わなくてはならない」
と打ち明けられる・・。

 

歌やダンスシーンがたくさんあり、楽しく観られるが、
終盤では、ミュージカル映画であることを
製作者側がすっかり忘れてしまったみたいに
音楽すらほとんどないシリアスな場面がふえてくる。

こういう、静寂をおそれることなく、
ゆっくりじっくり進むテンポ感は
いまの映画にはあんまりない。


オープニング、タイトルにもなっている
屋根の上のバイオリン弾き
が、ソロを弾く長回しのシーンがある。
この、屋根の上でヴァイオリンを弾いている男が、
映画の中で「実在」しているのかどうかは
ちょっとわからないが、
たぶんじっさいにいるという設定じゃないんだろう。
というのも、ちょっと本で調べたんだけど、
ユダヤの古い伝承に、こういうのがあるらしいのだ。
ローマ帝国のネロ皇帝の迫害に遭って、
ユダヤ人たちが逃げ惑っていたとき、
狂騒のさなかにふと頭上を見上げると、
建物の屋根の上で、男がフィドルを弾いていた。
細部は忘れちゃったが、そんなような伝承で、
これは、ユダヤ人たちの不屈の精神のシンボル
みたいな話として語り継がれているんだって。
だから、じっさいにいるとかいないとかではなくて、
この謎のヴァイオリン弾きはこの映画にとって必要なのだ。

逆光で弾き手の姿は黒い影になっていた。
詩的な場面だ。

吹き替えはアイザック・スターン

感情に訴えかけてくる演奏で、
オープニングなのにすでに涙ぐんでしまう。


ユダヤ教徒の男性たちのボトルダンスのシーンや
ロシアの軍人(か、警官隊?)たちが
酒場でコサックダンスを踊るシーンがすごく美しい。

シュテットルのユダヤ人たちと
それを管理する立場のロシアの軍人たちとは
宗教的、政治的に相容れない立場だが、
その酒場は中立地帯みたいな扱いなのか、
ロシア人とユダヤ人がおなじ店内で過ごしている。

長女の婚約祝いに、テヴィエたちが歌い騒いでいるところへ、
ロシア人の客たちが飛び入りするシーンがある。


ウエストサイドストーリーにも似たような場面あるなあ。
体育館のダンスパーティー。


うーん。いい。


あちらのほうの国々の民族音楽はすてきだ。

なにがそうさせるのかわからないが、聴いているとたまらない気持ちになる。
なにか、音のつらなりに、涙腺をゆるめる特徴的な要素があるのかな・・
懐かしい感じというか。
いや、寂しくなるんだ。

 

当人の意向も聞かずに親が結婚を決めちゃうなんて、とか
宗教や民族がちがうからというだけで交際を許さないなんて、とか

今の感覚で観るとさっぱり理解できないかんじの物語だろうが、

そうじゃない。

観ていればわかる。

テヴィエほど愛情深く、人間くさく、お父さんくさいお父さんはいない。

テヴィエは家族を愛している。


テヴィエを見ていると涙が出てくる。
お父さんみたいなにおいが漂ってくるような気がするくらい、
お父さんくさい。


宗教、民族、慣習、歴史、愛情、苦痛、寂寥

言葉では色彩や触感までは表現できない。

いろんなことをはらんだ、
感情的かつ美しい映画を

屋根の上のバイオリン弾き」みたいな
映画を

これからもたくさん観たいものだ。