BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

新聞をはじからはじまで読むとつかれるが楽しい-121008。

失業をきっかけに
人と会話をする機会が激減した。
声帯が弱らないか心配だ。
それで思い立って
「新聞をはじからはじまで音読する」
というのをやりはじめて、
1週間くらいたつ。

つかれる。3時間くらいかかる。
でも新聞はおもしろい。

毎日読んでいると、
1日、1日が
つながっていることを感じる。

たとえば
9月、ECB(欧州中央銀行)が、
経済的に困っているEU加盟国の
国債を買い支えますよと発表した。
買い支えてもらうためには、
困っている国のほうから
ユーロ圏のいずれかの国に
「困ってるので、買ってちょうだい」
と要請する必要がある。
ECBは、この制度を、
おもにスペインを想定して作った。
スペインが経済不安をかかえているから、
申請してくれればいいと思って。
ところがかんじんのスペインからは、
待てど暮らせどSOSがこない。
スペインはどうするつもりなのか。
という記事が、
先週5日、金曜日に掲載されていた。

で、7日、日曜日、
「スペイン経済相、“救済必要ない”」という見出しで、
経済欄に記事がでていた。

スペインのデギンドス経済相が、
ロンドンで講演したとき、
「スペインは助けを必要としてはいません」
と述べたそうだ。

新聞を、毎日読んでると、
「ああ、このまえのあの記事の続きか。」
と、わかる。
あたりまえだが!

くわしい細かい言葉とか
日にちとか数字まで知りたければ、
それはまた自分で調べたり、
別途なにか工夫すればいい。

かんじんなのは
「ああ・・あれね。
昨日の新聞でみたわ。たしか。」
というような、
「ああ、あれね。」が
増えていくことのおもしろさだ。

わかる、ついていけるっていうことが
おもしろいじゃないか。
ちょっとわくわくするじゃないか。

それにしてもスペインの経済相って
デギンドスさんて方なんですか・・
すいませんなにも存じ上げませんで。

ところで、スペインの経済不安とは?

日本のバブル崩壊と似たようなことが
スペインにも起こっていたようだ、
あのサブプライム住宅ローン危機のときに。

スペインはフランコ将軍の
独裁政権が終焉をむかえてから
めざましい経済成長をとげてきて、
なかでも不動産市場が好調だった。
だから銀行はそちらのほうに
お金を貸しまくっていた。
これってバブルだよ、長続きしないよと
話題になり 心配されていたのだが、
それでも、いま、スペインが熱いらしい!
と聞いた移民が他国からおしよせ
人口が一気に増えたりして、
国全体が盛り上がっているように見えた。
しかしサブプライム住宅ローン危機をきっかけに
不動産株が大暴落、
銀行は不良債権をかかえこむ。
ついでに政権交代をきっかけに
粉飾決算が明るみに出たギリシャが、
債務危機におちいった。
ギリシャは、小さな国ではあり
EUナンバー4の経済規模をほこる
スペインなどとはくらべものにならない。
しかし、れっきとしたユーロ導入国だ。
困っているとなれば、EU加盟国は、
みんなでギリシャを助ける必要がある。
スペインも、EUに助けを求めたかったが
ギリシャで問題がおこってしまったので、
思うようにはいかなかった。

こんな状態のときに、
スペイン国内の大手銀行「バンキア」が
「いま、うち、キツいので助けてください」
と、政府に多額の支援を求めてきた。
政府はバンキアを半国有化することで
なんとか収拾をつけた。

以降、ほかにも支援をもとめてきた
企業や自治体があったが、
政府ももう、支援をするだけの
お金がなかったため、
このときはEUに多少、助けてもらったようだ。

日本のバブル崩壊のときも
銀行や企業が政府に助けをもとめたが、
これに日本政府は日本のお金でもって対応している。
そこは日本とスペインのちがうところみたいだ。

「あのバンキアが政府に支援を要請したなんて!」
「スペインは大丈夫なのか」
「スペインにお金を貸しても
返してくれないかもしれない」
周辺諸国は当然そうおもうわけで
スペインとしてはお金がなくて
まわりに助けてほしいから
国債を発行するのだが、
どこも買ってくれない。

じつをいうとスペインの自治体のなかには、
今年中に返さなくてはいけない借金を、
3兆円あまりもかかえているところもあるとのこと。
国内の失業率が ひどいときは20%を超え、
若年層だけだと 54%になったときもあった。
いちばん最近の調べでも
20%台は軽く超えているようだ。

なにもしてくれない政府に
不信感をつのらせる自治体。
ギリシャのこともあって、
余裕綽々というわけではない
EUの現状。
スペインは大変なのだ。

世界一の借金大国 日本から
こんなことをいうのもなんだが
デギンドス先輩、
「救済の必要はない」
とか言ってしまって、
大丈夫だったんですか・・(-_-;)
救済してもらえば
いいじゃないですか・・・
国がつぶれるよりましじゃないですか・・・
EUが国債を買ってくれると
言っているんだから
買ってもらえばいいのに。
だめなんですか・・

ともあれ、欧州中央銀行
スペインを念頭に、国債を買いますよという
救済策を打ち出したのは
こういう事情あってのことだったのだ。

早い話がスペインは
お金がなくて困っている。
わたしとおなじだ。仲間だ!

でもわたしが
お金がなくて困っていても
周りの誰かが困ったりはしない。
世界への影響もたぶんないだろう。
そこはわたしとスペインのちがいだ。

ヨーロッパの経済危機なんて
日本には関係ない、などと
考えるのはまちがいで、
まわりまわって絶対に
関係してくるようだ。
また、日本の危機が
ヨーロッパに影響することだって
必ずある。

世界はつながっているんだな・・
めちゃくちゃ勉強になります。

かんじんの日本の財政については
ほとんどなにも知らないので
恥ずかしいんですが。

だって日本の政府って
いったいなにをやってるの?
懸案事項は山積みのはずなのに
都合の悪いことを
野党から糾弾されるのを与党がおそれて、
臨時国会をひらく
見通しがたっていないとか・・
おかしいだろう どう考えても!

それでも日本がいちおう
ちゃんと回っているというのが
ふしぎでたまらないよなー
なんの支障も感じないじゃないか。
毎日を過ごすのに。
官僚のみなさんがいかにがんばっているか。
おかしなものだ。

ほんとうはどこの国も
いろいろ抱えているんだとおもうけれど、
隣の芝生は・・とはよく言ったもので、
なんだか外国の政府のほうがよっぽど
自国の経済や軍事などについて
一生懸命考えて
仕事をしているように見える。

すくなくとも
なにをやっているかはわかる。

日本はなにをやっているのかわからない!