BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想- 「アンネの追憶 MI RICORDO ANNA FRANK(2009)」/熱狂の日-120506。

友だちと有楽町に行った。
映画を観た。

「アンネの追憶」
原題:MI RICORDO ANNA FRANK 
ミゲル・アンヘル・ビバス監督
2009年、伊

f:id:york8188:20190317141804j:plain

movie.walkerplus.com


言語は英語だった。
映画としてどうだったかといえば、
わたしにはいまひとつであった。
対象年齢が自分の歳よりも
かなり低く設定されている印象。
中学生~高校生くらいむけに思えた。
それで少しものたりなく感じた。
自分が観るには
ちょっと浅かった。
ちょっと描写が甘かった。
こまかいところだけど、
史実と乖離しすぎていたため
気になったところも少なからずあった。

そして、故人とはいえ
アンネが天使のように
いい子に描かれすぎていた。
「こうであったと思いたい」という
わたしたちの理想が
投影された姿だったのだとおもう。

ただ、本作がつまらなかったとは
おもわない。
つまるとかつまらぬとかで
評価すべき内容の映画では
ないかもしれないが、
それでも
「けっしてつまらなくはなかった」。

アンネの父オットー・フランク氏に
心から同情するし、彼を尊敬する。
ずっと 彼の視点で本作を観ていた。
彼のきもちを想像すると、
たまらなくなった。
フランク氏は強い人だった。
一家でただひとり、
ほかのだれでもなく彼だけが、
生還したことに、
意味があったのか、
偶然だったのか、
それはわたしにはわからない。
だがフランク氏が生還し、
あのときなにが起こったかを
後世に語り継ぐ人として、
のこりの人生を生きてくれたことに、
感謝と敬意をささげたい。
それに、
ほかのだれでもなく
彼が生き残ったこと自体は、
偶然だったのかもしれないが、
自分で意味を作り出したと
言えるのではないか。
のこりの人生をしっかりと
意志的に生き抜いたことによって。
むだにしなかった。
生きようという気をうしなっても、
おかしくないほどの目に
あわされたにも関わらず。

・・・

有楽町のセレブな街並みを
ひやかして歩いていたら、
東京国際フォーラム
ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン
会場にいきあたった。
ついこのまえ、行きたいなーと
思ったことがあった。
チケットがとれる気がしなくて、
行きたいと思っただけで終わっていた。
だがせっかく通りかかったので
いちかばちか 今からでもとれる
ホールイベントがないか見てみたら、
あった。
じっさい、全日程の9割ちかくが
ソールドアウトではあったが。

ラフマニノフ
合唱曲「晩祷」と「鐘」。
S席とれた。聴いてきた。
いやよかった。
最高。
こんなのそうそう
聴けるもんじゃない。
得した気分。
外の「キオスク」という小舞台で
一定時刻ごとにおこなわれる
無料パフォーマンスも
ふたつほど聴いた。
ひとつはロシアの民族楽器のグループ。
ニコニコと気楽に演奏しながら、
手元でさばく超絶テクニックに驚かされた。

あちらさんの民族音楽には、
うんとゆっくりのテンポから
だんだん速くなり
駆け抜けて終わるような
シーンがよくある。
曲がおわったように見せかけて
また始めてみたりするアドリブ感覚とか。
日本で聴かれる音楽にはまずない
そういった要素が全開の、
たのしいステージだった。
聴衆が手拍子なんかをしたくても、
いまいちついていけないのをみて、
演奏家のみなさんがあきらかに
おもしろがっていた(^_^)

もうひとつは、
トランペット5重奏と
ピアノの6人グループによる演奏だった。
今年の春に音大を卒業した人ばかりの
グループとのことで
緊張していたように見えた。
初々しかった。