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BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

「探偵はBARにいる(2011)」。

探偵はBARにいる
橋本一監督、2011年、日本)

movie.walkerplus.com






ただなんとなく、邦画が観たいというだけの理由で観た。

観て大正解だった。おもしろかったし、好きだった。

どことなくなんとなく古くさいところがじつによかった。
松田優作の「探偵物語」のああいう古くささというか。

映像が古くさい。古いのに新しい。




松田優作の息子の松田龍平が出ていた。

あの松田龍平の、どこをどう搾ったり漉したりすれば、
あんなもっさりエキスが抽出されるのか、ほんとうに謎だった。
松田龍平といわれなければ、わからなかったかもしれないくらいの、
モッサリズムだった。
もっさり感をだすのに、少し体重を増やしたりしたのか?

けれども自然体で気の優しい、すごくいいキャラクターだった。
なんか、好きになった。
かんじんなときにエンジンがなかなかかからないマイカーを、
なだめたりすかしたりする場面が笑えた。
それが有効だと確信しきっていて、
同乗の探偵にも真剣なまなざしで手伝わせようとしていた。

でも、「機械に優しく声をかけると機械が応えてくれる」
というあの考え方は、じつはわたしもすごく理解できる。
わたしもコピー機やパソコンによくやる。
そして有効だ。ほんとに。いやほんとほんと。


大泉洋の探偵は暑苦しかった。
どういうキャラクターだとおもって観ていればいいのかよくわからなかった。
わたしは大泉洋じたいも、どういう人だとおもえばいいのかよくわからない。
まじめにやっていたのだとしたら申し訳ないが、いかんせん顔がおもしろすぎた。
ただ、あの探偵のキャラクターを、ほかに誰が演じたら、もっとよかったのにとか、
そんなことはおもわなかった。
だから、ぴったりはまっていたんじゃないかな。



悪者役がよかった。
ああいう、頭が腐りきった、最低なやつがひとりでもいることは、
この手の映画にとってだいじだとわたしはおもう。
頭が腐っているというとこがだいじだ。救いようのなさが必要だ。
高嶋政伸とはとても信じられなかった。
すっごくよかった。これから先、きっと忘れないだろう。

気味の悪いイヤなやつや、悪者ではないにせよ姑息でみみっちい人間などは、
高嶋政伸が演じたあの男のほかにも、何人かでてきた。
あんまり何人も、悪者キャラがでてくると、中途半端におもえることもあるのだが、
この映画ではどのキャラもみごとに種類のちがう、また物語における位置づけもまったくちがう、
それぞれに鮮烈な印象をもって存在していた。
わたしはこの映画のくわしい人物相関図や、各キャラクターの説明書きを書けといわれたら
きっとかなりうまく書けるとおもう。


この映画松田龍平高嶋政伸のように、
わたしが抱いているその俳優さんのイメージを、完全にぶちこわして、
おもいっっきり振り切れた演技をしてくれるのを観るのはすきだ。
そういう俳優さんがいることをありがたいとおもう。


細かいところが、観ているといちいちおもしろかった。
画を楽しむのに夢中になって、何回か物語が理解できなくなり、巻き戻した。

最後の方の、小雪のシーンも、何度か巻き戻して観た。
ただ、これは話が理解できなかったからではない。
悲惨だが、とても美しかったからだ。