BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

映画の感想-「マーガレット・サッチャー The Iron Lady(2011)」「TIME  In Time(2011)」-120321。

マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙
(原題:The Iron Lady 
フィリダ・ロイド監督、2011年、英)

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「TIME」
(原題:In Time 
アンドリュー・ニコル監督、2011年、米)

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はしごしてきた。

マーガレット・サッチャー
・・・ある特定の年齢層の方には
きっと「くる」んだとおもう。

よりにもよって
マーガレットの夫が、
最後にああいうことを
「言った」のは、切なかった。

メリル・ストリープがすばらしく、
彼女から目が離せなかった。
あの人を見るときいつも思う。
どうしてあんなに
何を着ても似合って、
パワーに満ち溢れて、
きれいなんだろう(@_@)?

映画館のチケット売り場で
スタッフさんとさしむかいになった、
その瞬間まで、
マーガレット・サッチャー」のあとには
「戦火の馬」を観るつもりでいた。
だけど突然、気がかわって
「『TIME』で」と口走った。

「戦火の馬」がどういう作品か
なにもかも知っていたわけでもないが
「騎馬」がいっぱいでてくる
「昔の戦争もの」というだけで
わたしの感動ポイントがそろっている。
予告編なんか観てきたかんじでも、
いわゆる「テッパン」であることは確実だ。
ぜったいに感動する
テッパン映画を観て
案の定めちゃくちゃ感動して
打ちのめされちゃって
予定どおり号泣しちゃってる
そんな2時間後の自分を想像して、
なんとなく興がさめたというか、
映画を観にきたのは
泣きたかったからとか
感動したかったからとかいう
わけじゃない。
おもしろいかおもしろくないか
まったく予測がつかない映画を、
観たいと願っていたのかも。

結果として 急きょ選んだ
「TIME」は

・・・
かなりおもしろかった。

設定で、楽しめる。
じっさいのわたしたちの世界には
存在しないルールのもとで、
人々が生きているので、
こういうルールがある世界では、
人間がどんな行動をとるのか、
どのようなものの考えかたをするのか、
想像がおいつかないところがあり、
それを、映画がやってみせてくれる。
刺激的だった。
やられてみると ああそうかな
そういうもんかなと
思うのだが
ではそれをあらかじめ
イメージできるかというと、
やっぱりできない。

主役の青年とシルヴィアが
いい雰囲気になるところで、
決まってなにかジャマが入るのが、
ちょっとおもしろかった(>_<)
じつは映画館の最後列に
なぜか赤ちゃん連れ、
小さな子ども連れ、
小学生くらいの子ども連れの家族が
3世帯くらい、本作を観にきていた。
親戚どうしかもしれない。
なんでまたファミリーで、
レイトショー枠の
あきらかにティーンか
それよりせいぜいやや上の
若い人むけの 
こんな映画を選んだのか、
理解にくるしむが、
観にきていたものはしょうがない。
小さい子連れがいるな、と気づいたときから
「ラブシーンとか子どもたちに
見せていいのか・・」などと、
わたしがなぜか
気になってしょうがなかった(-_-;)

だが、
ジャスティン・ティンバーレイク
アマンダ・サイフリッド
いいかんじになるたびに
見事にジャマがはいるのを観て
「どうやらラブシーンを
いれるつもりがないんだなこの監督は。」
と わかって、ほっとひと安心。
イヤ、なんでわたしが
そんなことを
気にしなくちゃいけないんだ。

主役の青年の母が、
非常にまずい事態におちいって、
助けをもとめて必死で走る場面に、
すごく胸をうたれた。
あの場面を観ただけでも、
この映画を観た意味は
あったん気がする。

物語における世界のルールについて
じゅうぶんに理解できてくる、
後半あたりからは、
どんな事態がおこっても、
ある程度予測ずみと感じられてしまい
刺激がうすれ、
そのぶんダレてきた。
もっといろいろと
本作の設定ならではの
衝撃的な展開があってもよかったが
この物語を考えた人も
そこまで深く
世界観を掘り下げなかったのかも。

または、
いかなる世界に生きていようと、
それが人間であるかぎり、
考えることやることなんて
大して変わらない。
ということかも。

ルール上、主要人物の見た目の年齢が、
みんな25歳だ。
みんな25歳か!
っていう目で見ると、相当きもちわるい。

見た目こそ25歳でも、
生きてきた年数は
場合によっては60歳、80歳とかであるわけで
たとえば子どもをもつ女性は、
なんとなく、おちついて母親然とし、
大企業のトップは大企業のトップの顔を、
なんとなく、している。
その「なんとなく」感をかもしだす
うまい顔と雰囲気をもった役者さんを、
よくこれだけ見つけてきたものだ。

変わった映画だった。
ぜひ実際に映画を
ごらんになってたしかめていただきたい。