BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

TONES。

高校の後輩にプロのマリンバ演奏家がいて
ほかの3人の演奏家といっしょにマリンバカルテット「TONES」を
結成して活動している。

何度か演奏会を聴きにいったことがあるが、
知り合いのひいき目を忘れて
純粋に音楽として聴きいってしまえるだけのものをもった、
高水準の演奏をするグループだ。

この「TONES」というグループが、

このたびCDデビューをした(@_@)


自分の後輩が!CDデビュー!

なんだか実感がわかない。
どんな感想を自分がもったのか
すぐには文章化できないくらい衝撃的だったというか。
ただはっきりいえるのは、
すごく誇らしいってことだ。


音楽だけにいえることでもないだろうが
「その道で」生きていくってのはたいへんなことだ。

有名な音楽大学を出てコンクールで賞をとっていたりして、
実力があっても、その全員が一流オーケストラに入ったり
CDをだしたりオペラの主役を歌えたりするわけじゃない。
こういっちゃなんだがそうなれる人は全体の一握りのなかの一握りで、
それはほんとうに、実力があっても、なのだ。
一種の時の運みたいなものがからんでいるようにおもう。

その時の運をいかにしてつかむかだとおもうが、

まずはあたりまえのことだろうけどたゆまぬ日々の練習、実力の向上。
うまいだけじゃだめなんだが うまくなかったらもう一生だめなわけなので。

それからたぶんセルフプロデュース。
自分で自分を積極的に売り込む気力と意欲がなくちゃいけない、
精力的に、あきらめることなく、なまけずやらなくちゃいけない。
どんなにうまくて才能があっても、
知ってもらって、何度も聴いてもらって、
おぼえてもらうことが必要だろう。

そして人脈。
うまくいえないけど演奏のオファーといったことにかぎらず
いろんな人との出会いとかいろんな流れみたいなものをたぐりよせて、
次へ、また次へとつながっていくんじゃないかな。
そういうものを大切に扱う、
人間としての当たり前の部分がちゃんとないと、
早晩やっていけなくなる。
でも人脈というやつは、
次へとつながらない出会いをいくらもとうとも
そいつは役に立たない出会いであり、「人脈」じゃない。
どこからどうつながっていい話が転がってくるかわかんないから
みんなを平等に大切にというのは 人としては殊勝な心掛けだが
演奏家として認められるために人脈を大事にしたいと思うなら
お人よしなだけではやっていけないところもあるだろう。
「次」につながりそうな出会いにありつくセンサーみたいな
ものも ないとだめなんだろうな。

実力と、
自分を売り込みつづける意欲やそのことにかけての巧さ、
そして人脈、
これらを育てていかなければ活動の場はひろげられない。

後輩は、必要(だとわたしがおもう)な要素を3つとも、
ちゃんともっているのだとおもう。

ちゃんともっていて、しかもその要素をやすまず稼働させつづける
ということがどれほどたいへんなことか、わたしはけっこう想像できる。

なぜならどれも、わたしが大の苦手とすることだから(-_-;)

わたしはりっぱに活動している後輩をすごく誇りにおもう。


5月に、CDデビュー記念の演奏会がひらかれるそうなので、
都合をつけてぜひ聴きにいきたい。