BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

「チェーザレ」。「償い」。

チェーザレ」は3巻くらいからすこしずつ、物語が動き出す。

とくにアンジェロが3巻からあきらかに饒舌になるのがなんだか印象的。
彼ってこんなにいろいろなことができる人だったのかあ。とおもう。
2巻までの彼は、もっと天然で感覚的で子どもっぽい。


また、3巻には、
ミゲルがアンジェロに、
「おまえがチェーザレをどう思おうが勝手だが
あんまり信用しすぎるな。あいつに傾倒すればするほど、
いずれあいつに失望することになる。」
というような警告をする場面がある。

チェーザレをみていると
ミゲルのいうことがなんとなくわたしにもわかる。

チェーザレはものすごく魅力的な人物だから、
多くの者が彼にひかれずにはいられない。
でもチェーザレは誰も考えていないもっと別の、もっと先の、
もっと全体的なことを考えている。

すべてはそのなにかのための布石、と思ってしまえるか思えないかが
たぶん改革者になれる人かなれない人かのちがいなのだろうが、
チェーザレは「思ってしまえる」ほうの人物だ。

そこがもう他の誰ともまったくちがう。

こっちの価値観でチェーザレと関わって、
いいやつだおもしろいやつだとか
自分のことを買ってくれるからだいすきだとか
チェーザレを好くのは自由だが、
チェーザレははじめからまったく別の目的のために すべてのことをやっており、
みんなに自分の方を向かせて「チェーザレはいいやつだ」とおもわせたり、
人とのあいだに友情を育てることすら
彼にとってはなにかに向かうための「プロセス」にすぎないかもしれないのだ。

それにチェーザレのように力を持って生まれた人間は、
やがてほかの者とはちがう世界へと旅立っていくものだし、
ほかの者とはちがう死に方をする。


だからミゲルはアンジェロに警告したんだとおもう。


クリストーバルがピサに来たらまた僕もいっしょに会いに行っていいか、とアンジェロがミゲルに聞いたとき、ミゲルが「ああまた行こう」と笑う場面が、3巻までのなかでわたしがいちばんすきなとこだ。

ミゲルはアンジェロが、まえにたまたまクリストーバルに会ったことを、
ここまで思い出深くおもっていて、
またミゲルといっしょにあの人に会いたいなんて考えていたとは
たぶん夢にもおもってなかったんだろうな。

ミゲルはチェーザレのそばにつかえチェーザレのために生きる人間なのだが、

チェーザレとはやっぱりちがう。

クリストーバルはユダヤ人であるがゆえに生きにくいミゲルを
クリストーバルなりに心配しており
「おれといっしょに新大陸にいこう」と航海にさそっている。

アンジェロはミゲルがユダヤ人であることなんて
まっったくこれっぽっちも気にしてない。
ミゲルがクリストーバルに誘われても航海に興味をしめさないのを不思議がるが、
チェーザレのものの考え方にふれて
チェーザレの自由な精神こそが、ミゲルの自由な精神のための新天地」
と いともかんたんに真理にたどりついている。
それにとくになにか考えてるわけでもないだろうが
アンジェロはミゲルが大好きなようで、
ミゲルに心からの友情をもってせっしている。

クリストーバルもアンジェロも、
チェーザレとはまたぜんぜん考え方がちがうし、べつの人間だけど、

でもミゲルの人間そのものに、こだわりのない好意でかかわってくれている。


ミゲルにとってクリストーバルやアンジェロは
チェーザレの影としてのじゃなく、「ユダヤ人」としてでもない、
ただミゲルという人間だということを、おもいださせるというか、
彼の心の熱くやわらかい部分にふれてくる人たちなんだとおもう。

友だち同士が、ただ友だち同士、というだけのつながりで、
たのしく関わっていくのは、
庶民にとってはあたりまえの、人付き合いの形だ。

でも歴史上や立場上、そういうことがむずかしい人というのもいたのだし、
いるのだとおもう。



チェーザレ・ボルジアが歴史上何をしてどんなふうになったかは、学校の授業でちょっとは習ったとおもう。本なども読んで、わたしは知っている。

だからチェーザレやミゲルをこんなにもていねいに魅力的に描くこのマンガを読んでると、かなり、たまらない気持ちになる。


おもしろいからそれでも読んじゃうんだけど(/_;)













矢口敦子「償い」(幻冬舎文庫)を読んだ。

これは・・・・
お、おもしろくない・・

たしかものすごく評判が良かった本のはずだけど
いったいどこがそんなに良いんだ。
文章に緊張感のキの字もないぞ。

こういうのはだめだ・・