BRILLIANT CORNERS-2

本や映画の感想。まれにやる気があるときは別のことも書いています。

台風15号

雨風の音がものすごくて

寝付くことができない。

 

それにしても、こんな天気のときでも

鈴虫は鳴きまくるんだなあ。

 

孤独だ。

はやく朝がきてほしい。

怖いし。

家壊れませんように。

予報によれば、あと3時間ちょっと。

あと3時間ちょっと待てば、

降水確率が100パーセントから

50パーセントに下がる。

 

 

 

思い出すきっかけ-190908。

退職の際にお世話になった労働組合
(単独で加入できるNPO法人だった)
の、職員の方のTwitterアカウントが、
Twitterのページに上がってくるようになった。

組合は、今もさまざまな人の労働問題の解決に
当たっているようだ。
ツイートによると、
相談当時のわたしととても良く似た職種、
良く似た問題で悩んでいる、女性の相談者のために、
現在 会社側と団体交渉中ということだった。
これってわたしのことか?と思ったくらい、
問題の概要が似ていた。
でも、ツイートがなされた日付が、ほんの数日前。
わたしが、退職して会社と争ったのは、
1年半も前のことだ。別の人だろう。

わたしがこの労働組合にはじめて相談したとき、
この職種での相談の例はめずらしいです、と
言われたおぼえがある。
その職種の労働者からの相談事例は当時まれだったみたいだ。
忙しいのはみんな一緒、どこも似たようなもの、こういうものと
がまんする人もいて、問題が顕在化しにくいということだった。
元気なうちはムチャな働き方をしていても気づかないし、
悩みもしない、ということもあるだろう。
そんなもんだと、確かに思う。

自分の会社から、パワーハラスメントの謝罪や
残業代の支払いなどの要求への回答を引き出すために
プレッシャーをかけたかった。
だからわたしはできるだけ
メディアの取材に応じたし、
情報も公開していた。
そちらがそういう態度ならこちらも行動していますよ、
隠したいかもしれませんが泣き寝入りはしませんよ、
そう態度で示せば、うまくいく可能性がある。
労働組合の方の助言をえて やっていた
それらのわたしの行動を報道番組などで見た人が、
もしかしたら
「自分の職場環境と似ている。
 思い切ってわたしも相談してみよう」と
思ってくれて、
それでこうして今、似たような案件の相談が
持ち込まれたのかもしれない。

もしそうだとすれば、わたしが行動したことで、
わたしと似た境遇にある人が、
「助けて!」と言えた、ことになる。
それは良かったのかなと思う。

・・・なんてことも思ってないわけじゃないが、
実際にはそんな気持ちの良いものじゃない。
当時、体験したことを
140字に満たないつぶやきの文章から
つぶさに思い出してしまう。
言われたことされたことだけじゃない。
当時の外気の冷たさや 
自分の体調が悪かったこと
部屋のどこに何があったか
どんな音がどのくらいの音量で聞こえたか
何について何を思ったか 
あらゆることを思い出す。

あの頃すごく参っていた。
過労からの病み上がりでくたくただった。
いつも胸が苦しく頭が熱くて息がしにくかった。
何かにひどく焦っているのに何もできない感じがした。
毎日、できるだけきれいに楽に自殺する方法について
ネット検索して考えていた。
眠れなくて、真夜中にうろうろと外を歩き回り、
首をくくるのに良さそうな樹木を物色した。
子どもの頃に、近所のマンションの屋上に
上らせてもらったことがあったのを思い出して
あのマンションだったら今も屋上に行けるかも
しれないと考えたことも一度や二度ではなかった。
一方で、自殺を決行したのに死ねなかった方の
手記などもたくさん読んでいた。
宗教書も哲学書も手当たりしだい力尽きるまで読んだ。
だが、うつの傾向があったらしく やがて
その本さえまともに読めなくなった。
腕をカッターナイフで切りつける
壁や家具を蹴ったり殴ったりするなどの
自傷行為にも及んでいた。
こんな喪失感、無力感、かなしみを
二度と感じずにすむのであろうから、
死んだほうが良いに決まっている、と思う反面
たとえこんなつまらない人間でも
生きていて良いのだと思いたい、という
そのはざまに落ち込んで 最悪だった。



SNSなんてのはろくなもんじゃない。
頼んでもいないのに こうして余計なものが
上がってきて、目に飛び込んできてしまう。

わざわざ見にいくもんではない。

わたしは気持ちをわかってくれる人が
隣にいてくれれば良いのになあ、と思う。
誰にもわかってもらえない、
苦しいときにそばにいてくれる人がいない、
と感じることは しんどいことだ。

でもこんな風に過去にさいなまれたり
さびしく感じたりするのは、
天候が優れなくて気分がふさがっているとか
そんなことだからだ、とも
冷静に思ったりする。

他ブログ更新中-『ライオン・キング』レビュー-190906。

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www.une-cabane.com

www.kinenote.com

いやー 
口を開けば不平不満。
でもアレだよ、一応言っとくけど
ディズニー映画でも
おもしろかったなって 素直な気持ちで思うときもあるよ。
ディズニーだったら何もかもヤダってわけじゃないよ。
ってつもりだけどね 自分では。たぶん(笑)

映画の感想-『特捜部Q 檻の中の女』-190904。

原題:KVINDEN I BURET
英題:THE KEEPER OF LOST CAUSES
ミケル・ノルガード 監督
2013年、デンマーク

f:id:york8188:20190905131446j:plain

www.youtube.com


 

これ原作↓

www.hayakawa-online.co.jp


監督の名前の表記が 媒体によって違うな。
ノルガード、としているものもあれば
ノガール、と表記されている場合もある。



※以下で、ミステリー映画の
 内容に触れていますので、ご注意ください。














話そのものに、おっ、と思うような新しさはない。
普通だった。
北欧ミステリーというとわたしが期待したくなるのは
イカレっぷりや生々しさ、クールな描写・・・だが
いずれも、思ったほどには、なかった。
政界で活躍する優秀な若手の失踪、
捜査の足をひっぱる上司、
「バイオなんとかミクス」という、いかにもな企業名・・・
カネと政治と汚職がからむ系の壮大な話になるのかなと
思いもしたけど、ならなかった(笑)!!

だけど、いつも観てるハリウッド映画からは
まず感じることのできない特異な雰囲気がみなぎり、
ただならぬ緊張感も伝わった。

それに、とてもまじめな映画で、好感をもった。
平凡だなあと思っているくせに、
最後まで、不思議と飽きることなく、楽しく観た。

魅力的なキャラクターが、それぞれに自分の役割を
演じ切っていたところも良いところであった。
カールとアサドの刑事コンビが大好きになったし、
ミレーデ議員とその弟の優しい関係には、心が温まった。
安心してゆったりと眠る議員の姿を見た時には、
わたしも心からほっとした。
救ってくれてありがとう、と目元をかすかにほころばせ
また眠りに落ちていく、やわらかな表情。
げっそりと頬がこけ、ひどい状態だったけれど・・・
闘い抜いた人の、美しい顔だと思った。
あの女優の熱演には拍手を送りたい。
絶対に生きて帰るという意志を持ち続けた
強い女性を、本当に体をはって演じてくれた。

社会病質者、サイコパスなどと呼ばれる人の
ものの考え方を想像することは難しい気もするが、
小雪舞う凄惨な事故現場×金髪の美少女という光景が、
頭のなかでおかしな感じに結びついちゃった・・・
というのであるとしたら、わかるような感じだ。
死、痛み、恐怖、鮮血と肉の臭い、幼い性衝動。
何であれ圧倒的な「力」は、セクシーなものであるから。

「俺は何から何まで全部覚えているのに、
 あんたは忘れてしまっているからムカつく」
そんな感じもあったのかも。
ウフェは、事故をきっかけに
記憶の欠落が生じるなどの障害を起こしており、
生活全般にサポートを要する状態となっていた。
ミレーデ議員も弟と同じ目に遭ったわけであるから、
記憶を一部封印してしまっているのかもと推測された。
弟と違って、問題なく自立した生活を送る彼女だが、
だから記憶障害を持っていない、ということにはならない。
でも、
「そもそも体験しなかった」
「記憶そのものを持っていない」のではなく、
記憶はあるが眠っている、ということであるから、
彼女の脳は、もちろんすべてを覚えているのだ。
かつて視線を交わしたあの少年と
大人になって巡り会ってもスムーズに結ばれたのは
そういうことではないだろうか。
この人と会ったことがある、
一瞬だが好意的な時間を共有した、
呼び起こすことはできないがその記憶が
無意識裡にはたらき、親近感のようなものとして
認識された。

犯行現場のチョイスの背景がよくわからなかったのだが、
考えてみれば、あの場所であれば、
足の悪いおっかさんに見つかる心配がない。
あれこれと計画を練っていたときに、
例の機械の存在に気づいてなんとなく
「これを使ったら長く楽しめる」と思った、
理由があるとしたら、そんなことだろう。
方法論的に、絶対こうでなくてはならないといったことは
それほどなかったのだろうから。
それにしても、
5年にわたった監禁生活において、月経などは
どのように処理していたのか、と素朴に思った。
あれほど強いストレスにさらされたなら、
早々に止まってしまってもおかしくはないが、
それも人それぞれで、続く人もいると思う。

事故が発生した状況には、解せない部分もあった。
北欧の交通ルールにはまったく不案内であるが、
林のなかの、それほど混んでない狭い道路で、
2台の車が並走・・・いったいなぜそうなったのか。
物語的に、ふたりの視線がバチっとからみあう
決定的な瞬間を作り出す必要があったことはわかる。
だが、もう少し、ありえそうなシチュエーションが
他になかったものかと。
燃料タンク車などがからむ大事故で、
後ろを走っていた車までも巻き添えをくらい、
そして事故のあとに、ふたりの目があう瞬間が・・・
それでもまったくかまわなかったように思う。

ダニエルはひたすら不憫。

カールが部下を失うことになった過去の案件の真相が、
明かされるときはくるのだろうか。
応援を待とう、と仲間があれだけ言ったにもかかわらず、
耳を貸さずにカールが飛び出していったことの
理由もよくわからなかった。
バカだなー!と思ったが。
アサドと組んでも、懲りずにまだ似たようなことを
やっていた。

原作小説『特捜部Q』はシリーズ化されており、
6作品くらい、もう出ているらしい。
そのどれかで、事情が明らかにされているのかも。
読んでみたい。