BRILLIANT CORNERS-2

観た映画・読んだ本など関心ごとへの感想メインの、なんということのなさすぎる身辺雑記帳です。 少しずつ、いろいろ更新してまいります。 お気が向いたらお読みいただければさいわいです(^O^) ブログのタイトルは、セロニアス・モンクのアルバムから。「すみずみまで光り輝く」というような意味だそうで、なんとなくいいなとおもうもんで。

「ザ・コンサルタント The Accountant(2016)」。

きょうは午前中は洗濯をしたり ノラネコに手をかまれたり
あと ノラネコにヒザにパンチをくらったりし
午後おそくになってから外にでて、映画をみにいった。

「ザ・コンサルタント」を観た。
(The Accountant、ギャビン・オコナー監督、2016年、米)

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主人公はクリスチャン・ウルフ(ベン・アフレック
という会計士で、
アメリカの田舎町の会計事務所で働いている。
愛想がないが数字には図抜けて強い切れ者で、
地元の老夫婦のお金の悩み相談なんかを
うまくさばいていて、優秀な男だ。
そんなウルフのもとに、ある日 家電や義肢の開発を
手がける大企業から 財政調査の依頼が入る。
会計補佐の女性社員デイナ(アナ・ケンドリック)が、
使途不明金があるみたいだといってきたので、
調べてほしいという。
ウルフはその頭脳を活かして、
やっぱり会社の金の流れがおかしいと証明し、
さらにくわしく調べようとするのだが、
ここでなぜだか会社のほうから一方的に、依頼を打ち切ってくる。
そしてまもなく、ウルフは何者かから命をねらわれ始める。
最初に使途不明金のことを言い出したデイナも
あやしい男どもにおそわれるが、ウルフに救出される。
実は、ウルフは田舎町の会計士という表の顔のほかに
世界の超危険人物たちの秘密の帳簿をとりしきり、
年収10億をかせぐ裏社会の会計士という顔ももっている。
さらに、仕事のじゃまをする者を消し去るために
1.5キロ先の標的も撃ち抜く超絶狙撃術と
近接格闘術も備えている というとんでもない男なのだ。
ひきうけた仕事が中途半端に終わることが大嫌いなウルフは
命をねらわれたくらいでは仕事をなげださず
是が非でも企業の不正をつまびらかにしようと動き出す。

・・・
といったストーリーだ。

クライムサスペンスとバトルアクションとドラマとが
よくブレンドされてた。
伏線が何本もはりめぐらされ
けっこう複雑なのだけど、
どれもほったらかしにされず 少しずつほどかれていき
最後にきれいにつながってくるのが美しかった。
秩序と予測不可能性のバランスがよかったみたいで 
ちっともあきず、最後までたのしめた。
必要な人しか出てこないのもよかった。
出てきた人はひとりのこらず、みんな必要だった。

ウルフ役のベン・アフレックがとにかくハマってた。
見た目といい人物像といい キャラが彼に似合ってた。

会計補佐の女性社員を演じたアナ・ケンドリック
とってもよかった。
細くて小さくて頭だけが妙に大きく見えて子どもみたいだが
小鹿ちゃんのようでかわいい。
「50/50」でジョゼフ・ゴードン・レヴィットと共演してた人だ。
変わり者のウルフに偏見をもつことがなく
まっすぐかかわろうとする姿がとてもいい。
ウルフが途中で彼女と別れることになり、
「きみは称賛に値する」と
置き手紙をして去ったのがよかった。
「みんな僕を怖がって力で押さえつけようとしてくる。でも
君は非力にもかかわらず 僕を怖がらないでいてくれた」
という意味だろう。

ウルフたちを狙うやつらの親玉を演じた
ジョン・バーンサルもすてきな演技をしてた。
去年の暮れに「ジェイソン・ボーン」を観たばかりだったので
さいしょは「ほんとはヴァンサン・カッセルに出てほしかったけど
だめだったからこの人になったのかなー」とか思っていたのだが、
そんなふうにおもったのははじめのほうだけで、
すぐに、このすばらしい悪役の存在が
ありがたくおもえるようになっていった。
終盤のウルフとの対決シーンで、
(照明の効果もあったんだろうが、)
急に子どもみたいな 無防備な表情になったのがすごかった。
あの顔をみられただけでもかなり この映画を観た意味があった。

悪者たちの居場所を探し当てたウルフが
屋敷の大きな窓ガラスを威嚇射撃していくシーンも
アツかった。
撃たれる悪者たちにしてみれば
闇にまぎれどこから撃ってきているのかわからないうえに
とってもじゃないが一般人があつかえるような
火力の銃じゃないのに そのくせ異常に狙いが精確だ。
(ふつう、でかくて火力がある銃ほど狙撃の精度が落ちる。)
それで分厚い窓ガラスをドッカンドッカンやるので
音と衝撃が半端じゃなく、観てるこっちもふるえあがった。
屋敷中の窓が割られたところでようやっと銃撃がやみ、
しずかになった瞬間も
逆に ここから何がおこるのかとおもって
息をのむほど怖かった。

ウルフの近接格闘術は なんだかどこかで観たような
憶えがあったのだが、たぶん「ザ・レイド」の
「プンチャック・シラット」だろう。
ウルフのお父さんが軍人という設定だったし、
米軍の戦闘術にシラットが取り入れられているという
話を 「ザ・レイド」を観たときに きいたことがある。
お父さん仕込みの体術ということなのだろう。
体がでかいベン・アフレックがやったせいか
格闘シーンに異常に迫力があった。
相手をした悪者たちもちゃんとみんな強かったし。

しかしウルフは
仕事を完遂しなくちゃ気が済まないというのは
よくわかるのだが
なにも殺さなくてもよかったんじゃないかとはおもった。
最後、なんで殺しちゃったんだろう・・・。
やりすぎのような気がしたけどな。
いわゆる「法で裁けないクズの粛清」というのとは
ちょっと 話がちがうんだし。

ウルフのようなのは敵に回すと怖かろう。
悪い人間じゃないとはおもうがあんまり極端だ。


場面転換や回想シーンの 映像表現から想像するに
テレビや日本語吹き替え版で観ると
おそらくあんまりおもしろく感じられないとおもう。
でも、スクリーンで字幕版で観る分にはとても楽しめた。
公開中のいまのうちがおすすめ。
わたしはあと1回くらい観たい。

シリーズ化とかするかもしれない。
してもいいかもしれない。
続編がやるなら観たい。
弟と再会する可能性もあるし。
























さむくてしょうがない。「凶悪(2013)」。

今季一番の寒さとかそういうのぜんぜん知りたくない。
どの程度さむいかは朝 空気でなんとなくわかる。

こたつにあたりながら
DVDプレイヤーで
映画「凶悪」をみてみた。
白石和彌監督、2013年、日本)

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雑誌記者の主人公のもとに、
死刑囚の須藤という男から手紙がとどく。
須藤がいうには、自分には警察にも話していない、殺人の余罪が3つある。
それらは「先生」とよばれる人物の主導のもと行ったことで
「先生」はいまも罪をとわれることなくのうのうと暮している。
「先生」の罪を暴いて、記事にしてほしい。
主人公ははじめ半信半疑で
上司にも話をとりあってもらえないが
独自に調べてみたところ、須藤の告発に信ぴょう性があることが
わかってくる。
主人公は記事にできるかどうかわからないまま
この事件を本格的に追い始める・・・
というようなストーリーだった。


死刑囚の須藤を演じたピエール瀧
セリフが棒読みぎみで 演技もちょっとぎこちなかった。
でも、興ざめするほどひどかったわけでもなく、
大健闘していた。
ああいう人間も ありっちゃありなのかもしれないし。
だいたい殺人をなんともおもってないヤクザに
わたしはいままでの人生で一回も 会ったことないんだからね。
ピエール
多面的な人物像をいっしょうけんめいに演じていたとおもう。
どう考えてもカタギじゃねえ的な風貌と
じっとりとすわった瞳、
貫禄というにはだらしのなさすぎるゆるんだ体格が
役柄にはすごくマッチしていた。

主人公の雑誌記者を演じた山田孝之
終始おとなしく なにかものいいたげな雰囲気を
だしていたけれど 結局彼がなにをいいたいのか
よくわかんない部分があり、
まあ、こんなもんかなあ?と おもった。
悪い奴がした過去の犯罪の証拠をにぎっているかもしれない
重要人物がとつぜん死んでしまい、
それをみた主人公がすごい叫び声をあげて嘆くシーンがあった。
まああれは 
「ああ!これで犯罪の証拠が永遠に失われてしまった!」と
おもって嘆いているんだなと わからなかったわけじゃないが
しかしなんというか 
全体的にあの主人公のことが よくわからない。


リリー・フランキーはすごかった。
この映画とどっちが先だったかわからないが、
彼は たしか「凶悪」とほぼ同時期に
是枝裕和監督の「そして父になる」で
すっごく愛情深く庶民的なお父さん役を演じていた。
あのお父さんを演じた人と 同一人物だと・・・
まったくおそろしいおじさんだ。

主人公の妻を演じた池脇千鶴ちゃんと
主人公の母役の吉村実子さんもとってもよかった。
すてきだった。

「先生」に保険金殺人を依頼した一家を演じた
脇役の役者さんたちも
とてもいい演技をしていたとおもう。
彼らは自分たちがしたことの重さに
一生耐えられるような人間ではなかっただろうから 
ああなってよかったのではないか。

「先生」が
「世の中のいずれ死ぬ年寄りどもの首を
ちょっと早めにくくってやるだけで
ねむっていた金があふれだしてくる。
ちまたじゃ不景気だなんだっていうけれど、
あるところにはあるので、栓がつまっているだけなんだよ」
「金は使ってやらなくちゃ回らなくて、
それじゃかえって世の中もよくならない。
弱って死んでいくだけの年よりの金庫のなかで 
金を眠らしておくより
自分たちが使ったほうがいいじゃないか」
といった意味合いのことを言ってた。
そんなふうにおもっているんじゃあ、
こうした悪さもそりゃ考えるだろう。
すごい思考だ。
そんなことを思ってしまえる「勇気」というか。
一歩ふみだしてしまえる「勇気」というか。
震えあがるわ。
しかしなんでまたそんなことを考えるようになっちゃったかねこの男は。

池脇千鶴ちゃんは主人公の妻を演じていた。
夫がこの事件の取材にかまけて
認知症の義母の面倒をまかせきりにしてくるので
心身ともにまいっている。
彼女は
「事件の真相をあきらかにすることによって
死んでいった人たちの魂がすくわれる」
という夫の言葉を
「死んでいった人たちの魂なんてどうだっていい。
わたしは生きている。わたしは苦しんでいるの。」
といったことを言って 一蹴した。
これで主人公の心が どう動くかなあとおもった。
でも動いたかどうかよくわからなかった。
それがすごく残念だった。
主人公の心の動きがよくわかんなかったことが
この映画でざんねんだったところかなとおもう。

役者さんたちはおおむね大健闘していた。
脇役も光っていたとおもう。
でも映画としてはやや冗長だった。
もうすこしスピード感があったらおもしろかった。
なんの説明も前触れもなく
当初 主人公視点だったストーリー展開が
須藤の回想視点にきりかわったのも
なんとなくおかしかった。

まあそれもたいしたことではないかもしれない。

ひとつ疑問だったんだけど
いよいよこれがばれたら須藤が逮捕されるぞという段になって
「先生」が
「おまえがかわいがっている舎弟の五十嵐がね、
このまえ『ひとりで逃げたいからいい方法教えてくれ』って
相談してきたよ。ことわったけどさ。」
と 須藤に告げた。
情にもろいところがある須藤は 舎弟の五十嵐を
弟のようにも息子のようにもかわいがっていた。
須藤は「先生」主導の仕事にいつも
五十嵐をつれてきて手伝わせていた。
その五十嵐が自分をうらぎってひとりで
逃げようとしたときかされてショックを受け、
五十嵐を殺害してしまう。
五十嵐は
「先生」に逃走の相談をほんとにしていたんだろうか?
でも五十嵐がほんとはそんなことしていないのに
「あんたの舎弟がこんなこといってきたんよ」と
告げ口をしたところで
「先生」になにかのメリットがあったともおもえないし、
それに 人がやってもないことをやったと誰かに話して
両者の関係をぶちこわしてたのしむというような
趣味は「先生」にはないように感じた。
やっぱり五十嵐は 自分だけ逃げようとして
「先生」を頼ったのかな。
でもそれをなぜ 「先生」は須藤に話したのかね、
あのタイミングで。
そこがどうもよくわからなかった。

あ。
いや、わかるわ。
わかる。
五十嵐が裏切ったよと須藤に告げ口しても
「先生」にはメリットがない、と今書いたけど
メリット、あるな。
須藤が刑務所にはいり 五十嵐も死んでくれれば
「先生」は安泰なのだ。
五十嵐は 「先生」と、「先生」を盲信する須藤のやり口に
疑問を感じ始めていたところがあった。
「先生」はそれを察知していたのではないか。
こいつを生かしておくとのちのち自分のためにならない。
できればいらんことをよそでしゃべりだす前に死んでほしい。
でもみずから手をくだすのもめんどくさい。
そこで須藤に
「五十嵐はあんたを裏切って自分だけ逃げようとしてる」と
ふきこむことで 五十嵐に悪印象をもたせ
殺すようにしむけた ということか。
自分への最後のご奉仕に。
つまり五十嵐はほんとは逃走の相談なんか 
「先生」にしていなかったんだとおもう。
正真正銘のクズじゃないの
「先生」ったら~!

「小銭持ってないっす!」のシーンも
そうかんがえるとすごくよかったんだな。
あれはよかった。
あのあとの舌打ちも。

世のなか悪いやつがいるもんだよ。
でもその人たちと自分とが
まったく関係がないともおもわない。
みんなおなじ人間だ。
脳みそのどこかがちがっているというわけでも
ない。
みんなおなじ人間なのだ。



こんなような本はどうですかね。

まえに、わたしが本を読むのが好きだと知った友だちが
読書ビギナーむけにおすすめの本を教えてよと
いってきたことがあり、
それに応じて書いてみたところ、
ずいぶん多くの人から好評をいただきました。
このまえ、また別の方面から
にたようなリクエストをもらったので
ここでふたたび おすすめの本を紹介的なことをやってみます。

自宅の本棚が大変なことになっており
あまりまともな準備などはできませんでした。
この本棚を整理するのはマジで大変ですから。
でも、2016年に何の本を読んだか、については
記録を残しており、正確にわかります。
そこで旧年中に読んだ本のなかから
よさげに思えたものを以下に紹介してみます。

いっっぱいあるんですが、
ぜんぶ挙げることはできませんから、
こんなふうなかんじのものを選びました。

・今回は「読書入門」にはこだわらない。
「さいきん似たようなかんじの本ばかり選んでしまう。
たまには毛色のちがった本を読んで刺激を受けてみたい」
とおもっている人、を想定してみる。
・小説、ノンフィクション類は、500ページ以内のもの。
・文庫かコミックス化されているものにかぎる。
・(小説、ノンフィクション類は)ストーリーと結末がある。
・(マンガ類は)ストーリーがある。
・日本語で書かれている、訳されている。
・著者の死後50年以上が経過しているものと詩集と歌集は除く。

カテゴリはこう。
・感動、ぐっとくる、考えさせられる
・笑う、ニヤニヤできる、あったかい気持ちになる
・びっくりする、わくわくする、新しい世界が知れる

1冊単位の本の長さ 本の重さがだいたいわかるようにしました。
★★ 荷物をちょっと整理すればふつうのカバンに入る。
★ うすい文庫本、コミックス。

読む本えらびの参考になればさいわいです。


・・・


■感動、ぐっとくる、考えさせられる
永い言い訳 ★
(ながいいいわけ 西川美和著、文春文庫)
→小説です。
主人公の男性が、妻を交通事故でなくします。
といっても事故発生時の彼は 妻が遠方の地で
大変な目にあっているともしらず
不倫相手を自宅に連れこんでいちゃいちゃしてたくらいでして、
つまり夫婦関係はすでにひえきっており
死なれても これといって主人公の心は動きません。
しかし、妻が逝ったことが契機となって生じた
ある出会いをとおして、主人公は、永遠に失われた妻との関係や
ザツにあつかってきた自分自身の人生と、向き合いはじめます。
やさしさと苦い痛みとにみちた、二度とは読むのがつらい物語です。
著者自身の手で、映画化もされました。

文春文庫『永い言い訳』西川美和 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS



リリーのすべて ★★
(りりーのすべて  デイヴィッド・エバーショフ著、ハヤカワ文庫)
→海外文学です。
1925年頃のデンマークが舞台です。
アイナーとゲルダは仲のよい夫婦です。
アイナーは、ひょんなことをきっかけに
自分の心のなかにひそむ「女性」の存在に気づき、
女性の姿で、「リリー」として生きることを望むようになります。
夫の変化に当初はおどろいたゲルダも、
最終的には夫の願いに共感をしめし、彼を献身的に支えます。
やがてアイナー/リリーは、世界初といわれる性別適合手術
受ける決意をするのですが・・ という物語です。
愛とか理解とかそういう簡単な話ではないです。
複雑な心と心の すれちがいとつながりの物語です。
ラストシーンが詩的で非常に美しいです。
映画化もされました。

リリーのすべて | 種類,ハヤカワ文庫NV | ハヤカワ・オンライン


説得 エホバの証人と輸血拒否事件 ★★
(せっとく えほばのしょうにんとゆけつきょひじけん
大泉実成著、草思社文庫)
→ノンフィクションです。
昔のものですが、色あせないです。
男の子が交通事故でケガをして病院に搬送されました。
輸血をしないときびしい状況です。
しかし、両親は、輸血をしないでと訴えます。
彼らが信仰する宗教団体「エホバの証人」では、
輸血が禁じられているのです。
すったもんだのすえ、男の子は処置を受けられないまま死亡しました。
こうしたことがあったことをニュースで知った著者は、
情報を分析するうちに生じた あるひとつの疑問を胸に、
エホバの証人」にじっさいに入信(潜入)し、
死んだ子の両親に接近をこころみます。
一般的なノンフィクション、ルポとちがって
妙に軽い文章で読みやすい。そのくせなかなか深いです。

説得 エホバの証人と輸血拒否事件 | 文芸社文庫 草思社文庫


裁かれた命 死刑囚から届いた手紙  ★★
(さばかれたいのち しけいしゅうからとどいたてがみ
堀川惠子著、講談社文庫)
→ノンフィクションです。
強盗殺人で死刑判決を受けた青年が
弁護を担当してくれた国選弁護人と
自分に死刑を求刑した検察官とに
死刑が執行されるまで何通も 熱心に手紙を送っていました。
弁護人に礼の手紙を送るのはわかるのですが、
検察官にまで心のこもった熱い内容の手紙を送っていたなんて
どういうことなのでしょうか。
著者は別件で検察官に取材したときに
この死刑囚の手紙の件をうちあけられ
「彼があなたに手紙を送ってきた背景を知るために
彼の人生をくわしく調べてみましょう」と提案します。
その結果あきらかになってきたのは、ある重く哀しい事実でした。
この本を読んで受けた感動は、心以前に体に、じかにきました。
ぜひともおすすめします!

『裁かれた命 死刑囚から届いた手紙』(堀川惠子):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部



蝦蟇の油―自伝のようなもの ★★
(がまのあぶら じでんのようなもの 黒澤明著、岩波現代文庫
→映画監督・黒澤明の自伝的エッセイです。
優秀な映画監督って文章もすごくうまいんですねえ。
わたしは本作を読んで黒澤明氏のことがもう
大・大・大好きになってしまいました。
ずいぶん古い本ではありますがぜひご一読ください。

蝦蟇の油 - 岩波書店

 

 

エムブリヲ奇譚 ★
(えむぶりをきたん 山白朝子著、角川文庫)
→小説です。連作短編集です。
旅本作家の和泉蝋庵と、荷物持ちの耳彦との奇怪で奇妙な道中記です。
和泉蝋庵は変な人で、旅に出ると必ずといっていいほど道に迷う
・・・というか、異世界的なところに迷い込んでしまいます。
美しく酷薄で、また、どこか哀しい物語集です。

エムブリヲ奇譚: 文庫: 山白朝子 | KADOKAWA-角川書店・角川グループ

 

 

モブサイコ100  ★
(もぶさいこ100 ONE作、既刊13巻、裏少年サンデーコミックス)
WEBマンガです。
男子中学生・茂夫(しげお、モブ)は、強力な超能力者です。
でも、彼は超能力なんて生きていくうえですこしも助けには
ならないと考えています。そんな力なんかいくらあっても、自分は
勉強も運動もできず、好きな女子に声をかける勇気すらない男だからです。
モブはさえない自分を変えるため、学校のクラブ活動の
「肉体改造部」に入部。頼りになる先輩や仲間たちとともに
トレーニングに励むようになります。
しかしそんな折、モブの超能力を私利私欲に利用しようと
もくろむ者たちがあらわれて・・・ といったような物語です。
とりあえずそうですね・・・コミックスで3巻あたりまで
だまされたとおもって読んでみてほしいです。
人の生の感情がぎらついてて 不覚にも泣けるのです(^^)

裏サンデー | モブサイコ100

裏サンデー | コミックス情報




直面(ヒタメン) 三島由紀夫若き日の恋 ★★
(ひためん みしまゆきおわかきひのこい 岩下尚史著、文春文庫)
→ノンフィクションです。
金閣寺」執筆前後、三島由紀夫作家として全盛期にあった頃
彼の愛情を一身にうけた、ひとりの女性がいました。
彼女はけっきょく三島とは結ばれず、ほかに嫁いだので、
婚家や周辺の人物をはばかっていままで過去のことを
すすんで話してこなかったんですが
夫も関係者も亡くなったいま、自分の話がなにかの役にたつならと、
著者に若かりし頃の
三島との恋のおもいでをうちあけます。
この話がじつに興味深いことはいうまでもないんですけど、
彼女と三島とのデートのエピソードから
戦後復興期の新橋・赤坂・銀座の花街界隈の雰囲気が
つたわってくるところも、すばらしいです。
また、三島由紀夫という人物については
じつにいろいろ いわれてきたわけなんですが、
本書はそれらを・・・もののみごとに蹴散らす傑作です。
しかも「女性と、肉体関係こみの交際をしたのだから
三島はやっぱりゲイじゃなかったんだよ」
とかそんな低次元なレベルでの蹴散らし方ではありませんよ。
そういう話じゃないんです。
読めばわかるんですけども。
おおくの人にとって、おそらく
三島のイメージが激変する一冊になるはずです。

文春文庫『直面(ヒタメン)三島由紀夫若き日の恋』岩下尚史 | 文庫 - 文藝春秋BOOKS

 

・・・

 

■笑う、ニヤニヤできる、あったかい気持ちになる
二重生活  ★
(にじゅうせいかつ 小池真理子著、角川文庫)
→小説です。
主人公は哲学専攻の女子学生です。
彼女は教授のすすめから、
ご近所の妻子ある男性を対象に「哲学的尾行」を開始します。
彼のことが好きとかいうわけじゃなく、金もうけが狙いでもありません。
ただ目的もなく、尾行するのです。
結果、男性が妻以外の女性と深い関係にあることが判明するのですが・・・。
「こういうことをすると最終的にどうなるのか?」ってことが
容赦なく、つきつめて描かれていて、わくわくさせられました。
こんな気持ちになってよい小説だったのかわからないのですが、
読み終えたとき、なにか、ほくほくしたようないい気分になりました。

二重生活: 文庫: 小池真理子 | KADOKAWA-角川書店・角川グループ




貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 ★
(きさまいつまでじょしでいるつもりだもんだい 
ジェーン・スー著、幻冬舎文庫
→エッセイですかね。
著者が、バリバリ働く40代独身女性の立場から
女性にまつわるさまざまな問題・・・
たとえば「女子」という呼称の問題、「カワイイ~★」問題、
そして女性にとっての 恋愛、結婚、家族、老後などなど
を ばっさばっさと斬っていきます。
おもしろいですよ。

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 | 株式会社 幻冬舎

・・・

■びっくりする、わくわくする、新しい世界が知れる
ゴールデンカムイ ★★
(ごーるでんかむい、野田サトル作、既刊9巻、
ヤングジャンプコミックス)
→マンガです。サバイバルアクションです。
明治時代末期の北海道を舞台にした物語です。
主人公は杉元佐一という男。日露戦争で活躍し、
「不死身の杉元」の異名をとった、強運かつ屈強な人物です。
ある深刻な事情から、一攫千金を熱望している杉元は、
ひょんなことから、北海道はアイヌの男たちが秘蔵していたという
莫大な宝物のうわさを耳にします。
宝はある男に奪われ、その男はやがて当局に逮捕されましたが、
獄中で、同房の囚人たちに宝のありかを示す暗号を託したとか。
そして、その囚人どもが脱獄した・・・という話を聞きつけた杉元は、
脱獄囚たちを捕まえて暗号を暴き、宝物を探し出しそうと決意します。
しかし、彼以外にも宝を狙っている者はたくさんいます。
杉元は、ライバルとの闘いを勝ち抜いて宝を獲得することが
できるのでしょうか? ・・・という物語です。
杉元は、北海道の山中でライバルと戦うなか、
聡明なアイヌの少女・アシㇼパと出会い、協力関係を結びます。
彼女が伝授するアイヌの生活の知恵の数々、
また、山中で遭遇する獰猛な野生動物との死闘は、
ときに本筋のトレジャーハント・パートよりも おもしろく、
むしろ宝探しは進展しなくてもいいから、ずっと
杉元とアシㇼパのサバイバルを見ていたいと おもうことも。
なにせ杉元とアシㇼパが好きだから彼らに人間同士の
みにくい争いで 死んだりしてほしくないし(^^)
まあちょっと、おもしろいので、読んでみてください。
ところで本作の監修を担当しているアイヌ語研究家の中川裕氏は
アイヌ語アイヌ文化についての論文や本を
いろいろ発表されてます。
アイヌの物語世界」はわたしも読みました。
けっこうおもしろかったです。

『ゴールデンカムイ』公式サイト│集英社

アイヌの物語世界 - 平凡社



ふしぎの国のバード ★★
(ふしぎのくにのばーど 佐々大河作、既刊3巻、ビームコミックス)
→マンガです。もっと高く評価されるべきマンガだとおもいます。
実在の英国人旅行家 イザベラ・バードの物語です。
これまでにもさまざまな異国の地を制覇してきたイザベラは、
時代の変化とともに消え行く日本文化を記録に残すため、
東京から蝦夷(北海道)まで前人未到の縦断ルートを進みます。
実際、イザベラは1878年に日本にやってきて
通訳の伊藤鶴吉を連れたほかは ほぼ単独で
東京~北海道間を旅し「日本奥地紀行」などを発表しました。
本作の作者はこれが初めてのマンガ作品みたいなのですが
渡辺京二氏の「逝きし世の面影」に感動して
「ふしぎの国のバード」を描くことにしたそうです。
「逝きし世の面影」はわたしも読みましたが、じっさい名著です。
明治初頭の日本には 欧州をはじめとするたくさんの国から
いろんな専門家や学者などがやってきましたよね。
彼らはみんな やれ日本は自然も街並みも美しい
やれ日本人はみんな親切で礼儀正しい、まずしいけれど清廉だと
日本を絶賛する発言や著書をのこしています。
しかし のちに日本人が昔の日本のことを研究するにあたって
これらの外国人たちの「日本評」は ほぼ黙殺されてきました。
彼らは日本をほめすぎだ、ジャポネスクフィルタがかかってて
とってもじゃないがそのまま信用はできん、と。
でも、「はたしてそうだろうか。たしかにほめすぎかも
しれないけど、これもまた一面での真実であり、そこから
かつての日本のほんとうの姿がみえてくるのではないか」と
あえて当時の訪日外国人たちの声を再評価しようとした人がいます。
それが歴史家・評論家の渡辺京二氏で、そんな思いから彼が著したのが
「逝きし世の面影」です。この本において渡辺氏は おもに幕末から明治期に
かけて日本にやってきた各界の専門家や知識人たちの
著書、手記をかずおおく引用しています。
そのなかに、くだんのイザベラ・バードの「日本奥地紀行」も
ふくまれてるわけです。
イザベラはけっこうズバズバものをいうたちだったようで
盲目的に日本や日本のひとびとをほめちぎったりはせず
「どこそこは、これといってみる価値もない場所だった」
「田舎の日本人はきたならしい原始時代みたいな人たち」
とか書いているところもあるんですが。
話はそれまくりましたが、「ふしぎの国のバード」と
逝きし世の面影」の関係はそういうことです。
さて、「ふしぎの国のバード」は 
画は成長途上なかんじなんですが、
熱意がつたわる、すごくいいマンガです。
なんといってもわれわれ日本人にとっては
100年以上前とはいえ母国の姿を描く物語なのに、
現代の視点からみて新鮮な発見にみちたシーンがもりだくさんで
イザベラ同様にびっくりしたり感心したりできる
というのが このマンガのおもしろいところ。
また、何度もいうように、画はうまいとはいえないものの
イザベラは誇り高く好奇心旺盛で元気いっぱいの女性、
通訳ガイドの伊藤鶴吉は 無愛想でひねたところはあるが
仕事はデキる男で ちょっとシャイな、カワイイ青年
(見た目は「進撃の巨人」のリヴァイ?みたいな。)と
キャラがくっきりと よく表現されてます。
とても一生懸命描かれているたのしいマンガなんです。
まずは「ふしぎの国のバード」からはいって、
お気が向いたら「逝きし世の面影」「日本奥地紀行」にも
トライしてみるといいかもしれません。
というか きっとそうしたくなるでしょう。

ふしぎの国のバード 1巻 | コミック | ビームコミックス | エンターブレイン

逝きし世の面影 - 平凡社

日本奥地紀行 - 平凡社




クリーピー ★★
(くりーぴー 前川裕著、光文社文庫)
→小説です。サスペンスホラーですかね。
主人公は、大学で犯罪心理学を教えています。
一軒家に妻と二人暮らしです。
ある日、高校の同窓生であるところの刑事・野上から
とある事件の分析をたのまれたのをきっかけに、
なぜか主人公の周囲でも、不可解な事件が頻発するようになります。
野上の失踪、大学の教え子同士のトラブル、
向かいの家の不審火と、そこから発見された謎の焼死体。
しまいには隣の家の娘さんが助けをもとめてきます。彼女がいうには
「うちにいる男はお父さんじゃない。ぜんぜん知らない人」。
いったいどういうことなのか? なにが起こっているというのか?
たびかさなる奇妙な事件に、精神的にすっかり参ってしまう妻。
そして主人公のもとに、謎のお隣さんの脅威がしのびよります。
「クリーピー」は、何度も繰り返し楽しめるたぐいの本じゃありません。
また、冷静にかんがえると終盤はちょっとおおざっぱすぎるというか
「えっ!そんなに!?」感がなくもなかったです(読めばわかる)。
しかし、旧年中に読んだ小説のなかでは
突出しておもしろかった。
完璧な人間がこの世にひとりもいないように
なにもかも完璧な小説なんて ありませんからね。
わたしは「クリーピー」を読んですっかり怖くなっちゃいまして
いまだに 家の施錠を超厳重にするクセがぬけません。

クリーピー 前川裕 | 光文社文庫 | 光文社

 


青春漂流 ★
(せいしゅんひょうりゅう、立花隆著、講談社文庫)
→インタビュー集です。
挫折を体験し、おおきなリスクを覚悟しながらも大胆に方向転換した
若者たち11人と 著者がじっくり語り合います。基本的にどの人も、
「人生は長いから、その大胆な方向転換が正しい選択だったかどうかは
今はわからないよね」ということにされているんですけど、
田崎真也(ソムリエ)、宮崎学(写真家)、村崎太郎(猿回し師)、
吉野金次(ミキサー)などなど、登場した11人はみんな
いまネットで調べても本書に登場したときの職業のまま、
その筋のスペシャリストとなって活躍してます。
わたしは猛禽類、とくにタカがすきでして
鷹匠松原英俊さんのところなどがおもしろかったです。
宮崎学さんのところも 無理な環境でこん詰めて働きすぎて
体をこわした話などが 自分とかさなる部分があり共感しました。
発表から30年が経過している本書ですが 立花隆氏のかずある著作でも
いまだ不動の人気をほこっているそうです。

『青春漂流』(立花隆):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部




・・・

これですっかり伝えたとか
おもっているわけではぜんぜんないですが
まあとりあえずがんばって書きました。
もうちょっとなにか
みんなに興味をもってもらいやすいような
やりかたを考えればよかったかな?
なにかといっても今はとくになにも思い浮かばないんですが。

ふしぎの国のバード ひいきしすぎですよね(^^)!!
イヤ~ なんかわたしの文章力じゃ あのマンガ
説明がね、むずかしくってですね・・・

ま、もしもなにか また こういう路線で紹介してみてとか
もっとこういうことが知りたいとかあったら
いってもらえるとすごくうれしいとおもいます。
こんなブログですが 書いた内容が
だれかの役にたつといいなと願ってます。




 

 















 

わたしアカデミー賞2016。

旧年は、映画をほとんどみませんでした。
本を読んだり、外にでかけて自分の足で歩いていろいろやってみて、
いろいろ見聞きする、といったことを試みていました。
いまおもえば1年の前半は体調があんまりよくなかったのです。
それだからこそ、調子がよいときは、なけなしの元気を
いかに効率的にというか「有意義なことにつかった感」を得られるように
消費するか に、やっきになりました。
それで 2時間すわって観てるだけの映画じゃなく
出かけたりするほうが より「意義がある」などと考えて
そっちを重視したのかなとおもいます。

観た絶対数が少ないので あれなんですが
それでも、今年も、2016年に観たもののなかから個人的に
これはよかったぜ!というのをあげてみます。

まず、2016年に観た映画を
だいたいのジャンルごと、観た時期順にあげます。
旧作も入れてます。
公開された年じゃなくて自分が観た年が2016年かどうかです。
前に観たことあるものでも2016年に観たものは入れてます。
タイトル末尾の「×?回」は、複数回にわたって観た場合の回数です。

■アクション、SF、ファンタジー系 実写
PARKER、SAFE、ザ・ウォーカーデッドプール(×2回)、インデペンデンス・デイ・リサージェンス、シン・ゴジラ(×3回)、スーサイド・スクワッド(×2回)、ジェイソン・ボーン、ジャック・リーチャー、ドラゴン・キングダム、ファンタスティックビーストと魔法使いの旅(×2回)

■ホラー、サスペンス系 実写
残穢~住んではいけない部屋、スキャナー~記憶のカケラをよむ男、インフェルノ

■ドラマ、コメディ系 実写
母と暮せば、シャニダールの花、黒い十人の女、レヴェナント~蘇りし者(×4回)、
ロスト・バケーション、花酔道中、ウォーロード~男たちの誓い

■アニメーション
プチプチアニメ 20周年記念上映会、AKIRA

把握できているものだけだとこのとおり。
(観たことを今思い出せないもの、メモなどで記録してないものは
ここには入れていません)
23本。こりゃ少ない。どうかしてる。よく平気でいられたものだ。
でもこれが現実。



では、各ジャンルごとの総括と いくつか印象にのこったものを
ふりかえりながら 自分なりの最優秀賞を考えてみます。

■アクション、SF系 実写
旧年はなんかあんまり これはっていう、アクション映画が
なかったです。
そういや、2015年も、アクション映画は不作の感がありましたかね。
マッドマックスやミッションインポッシブル、ワイルドスピード
よかったけれど。
でも おととし(2014年)あたりはもっと、2か月に1本くらいは
スゴイのが公開されてたじゃありませんか。
エクスペンダブルズ3、オールユーニードイズキル、ゴジラ
ザ・レイド2、スリーハンドレッド2・・・いろいろと。
今年も待っていたんだけどな、マッドマックスレベルのやつを。
でもあまりなかったですよね。
なぜだったんだ。つまらん。あれば這ってでもみにいったものを。
あと、香港・中国の武侠ものももっとみたかったです。
次世代のジャッキーやジェットはまだあらわれないのだろうか。

デッドプール
Deadpool、ティム・ミラー監督、2016年、米)

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大勢へのカウンタームービー的な位置にある映画が
最近だいすき。
アクションとその映像表現がすごく奇抜で、
主人公がスクリーン越しにこっちにひっきりなしに話しかけてくるという
スタイルがめずらしく、たのしかったです。
また、主人公とその恋人の、アホで下品だけれど
野花のようにしぶとくきよらかな愛が、とってもすてきでした。
それにしてもこのポスター イラっとくるな(^^)!!


シン・ゴジラ
庵野秀明総監督、樋口真嗣監督、尾上克郎準監督、2016年、日本)

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この映画にかんしては ほんとに、おどろかされたし、
なんだかこう、「すべてをひっくりかえされた」ことが快感でした。
この映画に感動したということを 人に話さないうちに死ねない、と
思いましたからねわたし。
どこの映画館でも、まだけっこうやっているようなので
ぜひ、観ていない人は、観に行ってください。
ゴジラ」に興味がなかろうが邦画に興味がなかろうが
そんな今の気持ちはなにもかも、どうだってかまいませんから。
どなたも、だまされたとおもって観に行ってください。
個人的には 石原さとみちゃんが
色っぽく おくれ毛を耳のうしろにかけながら
「それは大統領が決めるの。あなたの国では、誰が決めるの?」
と主人公をみつめるシーンが超好きですな(^^) たまらんです(^^)


「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」
Fantastic Beasts and Where to Find Themデヴィッド・イェーツ監督、2016年、英)

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ハリーポッターシリーズは 原作はすぐあきました。
映画はイベントとしてたしなむレベル。
(映画はシリーズどれも十分おもしろかった覚えがあります)
わたしの「ハリポタ」への思い入れはしょせんその程度です。 
しかしこの映画は そんなわたしの心をわしづかみに。
またあの世界に行きたい、とおもって2回も観ました。
エディ・レッドメインがもう、最高すぎ。
この人はまだまだもっと、いくらでもすごい演技ができそう。
ほかのキャラクターもみんなよかった。
クリーデンスと、グレイブスを演じた役者さんはとくに。
終盤の、市街地の復旧シーンがツボでした。

・・・

アクション・SFジャンルの個人的最優秀作品賞は
シン・ゴジラ」ですかね。
いろいろ迷わなかったわけでもないけれど、
けっきょくこれ以外にはないし、本心では
はじめから これに決定していたようにもおもいます。
とにかく 驚かされた映画でした。
わたしは見くびっており、そして失望していたのです、邦画に。
でも、そんな自分こそ、まだまだなにもわかっていやしないのだということを 
シン・ゴジラを観たことによって、知ったのです。
そしてそれを知ったことがほんとに喜びだった。
日本の映画に 思いっきり期待していいんだと。
観てください!



■ホラー、サスペンス系 実写
怖い映画が実はダメなんですが たまにどうしても
観てみたいとおもうものがあると みてしまいます。

インフェルノ
Inferno、ロン・ハワード監督、2016年、米

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これはけっこうおもしろかったです。
人類の殲滅をもくろむ化学者との闘いの物語でした。
天才のカリスマ性と孤独とがおもわれて、
なかなか気の毒であり、考えさせられました。

残穢」もおもしろかったですが、
がまんにがまんをかさねてきた監督のサービス精神が
最後の数分間で暴走してしまったのか
せっかく余韻をのこすわるくないかんじのラストになる予感が
ぶちこわしになってしまっており
ちょっとがっかり。
自分のやってることが自分でてれくさくなって
やらんでもいいことを最後にやってわざと駄作っぽくしちゃう
みたいなことだったのかな、とも 解釈しましたが
たのむからやめて(^^)
複雑で長大な原作の小説をうまくまとめていたし
雰囲気もでててよかったとおもうんですがね。


・・・

ホラー・サスペンス系の個人的最優秀賞は
インフェルノ」にします。
まえに、「記憶探偵と鍵のかかった少女」っていう映画が
ありまして、公開当時ものすごくヒットしたという
話とかはとくに聞きませんが、なかなかおっかなくてグロテスクながら
謎を解明していくようすがおもしろかったんです。
見た目にも観ていてたのしかったですし。
ああいうかんじのやつを観たいです。
インフェルノはその点ちょっとおもしろさが「記憶探偵~」っぽくて
しかもスケールは数段上であり、
なかなかよかったとおもいます。



■ドラマ、コメディ系 実写
映画をみたいけれど 車が爆発したり人の頭がもげたりするやつは
なんだかあんまりみたくない、感動が強烈すぎるものもみたくない
といったときに、テンポがゆっくりめの映画をみたり、
衣装が華やかできれいな女の人がでてくる時代ものなどを
みることがありました。
深く考えたかったり もっとなにかを受け取りたいなら受けて立つが
見た目をさらっとめでるだけでもかまわないし 考えなくてもかまわない
という 深さがありますわな、古い映画には。

「母と暮せば」
山田洋次監督、2015年、日本)

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吉永小百合さんがですね、やさしくて善良なおっかさんなんですけど、
終盤にね、ふと本音をもらすんです。魔が差したかのように。
そしてはっとわれにかえり
「なんてことを言ってしまったんだろう。おかあさんは悪い人。
悪い人・・・」と、自分を激しく責めるんです。
このシーンにほんとに心をうたれました。
おっかさんの よき人であろうとする部分と
でも息子のことをおもうとどうしても腑に落ちず
ためこんできた 哀しい闇の部分とがね
吉永小百合さんの表情にほんっとに出てて。すごかった。
なぜこの人がこんな気持ちにならなくちゃいけないのか?と。

「レヴェナント 蘇りし者」
アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督、2016年、米)

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これはすばらしかった。
「あいつに絶対に復讐する。殺してやる」、
ただその一心で生きてきた人間が
復讐心を手放すことになったら、そのあとどうやって生きていくのか
ってことだとおもいます。
それを、ここまでして描きだすか!!!
観てよかったです。心がすごく痛かったけれど。
これまで観たことがなかったもの、今後もほかの映画では
もうけっしてみることができないであろうものが みられました。


・・・
ドラマ、コメディ系 は・・・ほんとに迷うし決めたくないといった
かんじでもあるんですけど・・・
でも「レヴェナント」ですね。
「レヴェナント」です。
だってこんな映画ほんとに、みたことないし。
これからもないとおもうから。



■アニメーション
みてないんですよ。みたいものがなかったから。
オリジナル作品がすくなくてすこしも食指がうごきませんでした。
君の名は。」には注目していたのですが、
あまりにも人気が爆発的なものとなり
映画にはすこしもうらみはないのですが
そのさわぎにへきえきして けっきょく観ませんでした。
もうみないだろうなとおもいます。
でも観るかも。わかりません。
AKIRA」は すごかったです。
あんな映画が30年も前にもうあったとは。

・・・

アニメーション部門は観てなさすぎるので
評価できません。
今年はもっとアニメ映画もみたいですね。
できれば完全に映画オリジナル作品をみたい。
日本のアニメって、ほんとスゴイですもんね。




2016年に観た映画をこうしてふりかえりますと、
個人的には
シン・ゴジラ」と「レヴェナント 蘇りし者」のふたつが
完全に別格、不動の同率1位と感じます。
どっちかひとつを選ばないと殺すと脅されても
これ以上には絞れませんな。
だってこのふたつは、作品の方向性が違いすぎるし
どっちもほんとうにそれぞれにすばらしかったですからね。
ということで
2016年のわたしアカデミー賞最優秀作品賞は
シン・ゴジラ」と「レヴェナント 蘇りし者」
に授与ということにします。
本物のアカデミー賞では、2作品同時に最高賞受賞ってこと
これまであったんですかね(^^)?

今年はスクリーンで50本、DVDなども入れて計100本以上は
また映画を観たいなとおもいます。

シン・ゴジラとレヴェナントを超える感動を
与えてくれる作品との出会いをたのしみにしてます。
いまのところ
「メッセージ」に なんだかちょっと期待してます。

www.message-movie.jp


なんといってもジェレミー・レナーがでるし、
あと、「灼熱の魂」の監督が メガホンとったときいているので。
傑作の予感がします。


2016年にわたしをたのしませてくれた映画たちありがとう。
永遠に愛しています。




































2017あけましておめでとうございます。

あけましておめでとうございます。
わたしとすでにつきあいのあるかたにおかれましては
本年もなにとぞ よろしくお願い申し上げます。
つきあいが今はないかたも 偶然にせよなんにせよ
このブログをのぞきにきてくださってありがとうございます。
またいらしてください。


新年の目標とか なにか考えても、
そんな目標を胸に抱いたことがあったことすら
いつも忘れてしまい
すぐ目先のべつのなにかに夢中になってしまうので
だいそれた目標などをここに書くのはやめます。
はずかしいし(^^)


旧年は忙しくって映画もあまりみられませんでした。
でも何本かはみたので 別投稿でそれらの
感想とかをふりかえれたらふりかえりたいです。

旧年は京都に行ったりしたのがたのしかったです。
できればもうちょっと休みがほしかったです。

今年は飛行機に1回くらいはのりたいです。
九州か、東北か、北陸あたりにいってみたいです。
京都にも1回くらいはまたいきます。

映画を年間100本、うちスクリーンで50本くらいはみたいです。

本はたくさん読みます。
今年は仏教の本をひきつづき読みます。

ケガはもうしたくないです。
病気にもならないように気をつけます。



12月27日ごろからカゼをひきました。
カゼは いやなもんです。
最近気づいたんですけど カゼって 薬のんでも治りませんよね。
おとなしくしてあったかくして とにかく寝るだけ。
薬によって症状を抑制しながら 体がもとにもどるのを
待つしかないです。
薬で症状がおさまることと カゼが治ることとは違うんですよ。
そのことに最近気づきました。

でも いうほどたいしたことがないカゼでした。
31日からきょう元旦までの3日間は
山梨の曹洞宗のお寺にいました。
豚汁をつくったり座禅をくんだり
鐘を撞いたりしてました。
それ以外の時間は子どもと遊んだり大人と遊んだり
お風呂にはいったりご飯を作ったり食べたりしてました。
そして元日の昼に子どもたちにお年玉をわたして
帰ってきました。

昨年このお寺にきたときに、やはり居合わせた子どもたちに
お年玉をわたしたのです。
現金じゃなく図書カードをあげました。
正確に何人の子どもがいるか行ってみないとわからなかったので
1000円分の図書カードを10枚購入しておき
お年玉袋を10個用意しておいて
元旦の朝に寺のなかで子どもを発見し次第
包んで渡す形式にしました。
そしたらある子が
お年玉袋の中身をそっとのぞいてから
わたしの顔をこまったような表情でみあげ
「ありがとう・・・でもこれって換金できるよね?」
と真顔で尋ねてきました。
がーん!!!

でも今年も図書カードにしました。
今年は換金できるよね?とは言われなかったのでほっとしました。
この人には期待してもしょうがないと 去年の段階で
おもわれたのかもしれないです(^^)

来年は現金にしたほうがいいかなあ・・・
でも、なにか、現金だと、もっとたくさん包まなくちゃ
いけないような気がするんですよ。
それがわたしの感覚では最低でも
1人3000~5000円じゃないとだめというかんじなんです。
だめというのは、「すくなくともそのくらいの金額じゃないと
こちらの『ほんの気持ち』が伝えられない」ということです。
そして、それだとわたしの稼ぎじゃ もし子どもが10人以上もいた場合
とてもじゃないがみんなには用意してあげられないんです。
でも、図書カードなどの金券だと、
金額が大きくなくてもいいというかんじがするんですよ。
金額にかかわらず、贈ると「ほんの気持ち」感がうまくだせるような
かんじがして、こっちとしては気がラクなんですよね。
わたしの感覚の話にすぎないんですけど・・・
稼ぎがもっとよくなるまでは
図書カードにしますかねえ。わたしは。
子どもたちに活字と友だちになってほしいとも、ちょっと思うし。
あんまり本にハマるのも 困りものだけど。

とてもたのしい3日間でした。
ただ、かなり寒かったです。
地元に帰ってきたときほんとにすごくあったかく感じました。

帰ってきたときまだ夕方も早い時間だったので、
映画館にいって正月早々 映画を1本みました。

バイオハザード: ザ・ファイナル
Resident EvilThe Finel Chapter ポール・W・S・アンダーソン監督、2016年、英・仏・加・独)

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movie.walkerplus.com


ちなみにバイオハザードシリーズはこれまでどれひとつとして
みたことがありません。
ゲームも1回もやったことがありません。

でも観ました。
まあだいたいいままでに何があってどうしてこうなったかという
ストーリーの流れみたいなものは
想像できないこともなかったし
わからないことをわからないままにして観ていても
とくに不便は感じませんでした。

感想としてはすごくおもしろかったです!

ホラーなんだろうけどホラーというよりはどっちかというと
アクション映画だなとおもいました。
主演のミラがとにかくかっこいい! 強い! 頭が切れる!
装甲車を運転してた、中国系か韓国系の、敵の部下がいて、
彼が親分に命じられてアリス(ミラ)と激しい格闘をくりひろげる
シーンがあったんですけど、
その部下を演じた役者さんが セリフはそんなになかったけど
バトルシーンがかっこよくてなかなかよかったです。
あんまりくわしくないですがテコンドーかクンフー
やっているのかもしれません。
でもその敵の部下は頭脳戦でアリスに最終的に負け、
自分がアリスをいじめたときとまったくおなじやり方で
アリスに仕返しされて、いたい目にあっていました。

アリスにくらべると非力なようにみえる女性の戦士でも、
わけわからないところに閉じ込められたりしても慌てず騒がず
即席の爆薬で脱出口をこじ開けてて、かっこよかったです。
わたしはあの女性はすぐ死んじゃう系かとおもったんですけど。

アンデッド以外の強いキャラは、アリスをはじめ、
みんなハードなバトルアクションをやっていて、
すごくみごたえがありました。
マーシャルアーツ系のアクション映画がすきな
自分としては2時間たっぷりたのしめました。

アリスが、最後に世界を救う手立てを実行するシーンでは
アリスの美しい表情が印象にのこりました。
わたしはなんといってもこれまでのシリーズをみてないので
あれなんですが、
たぶん彼女はこの瞬間のために何年もほぼたったひとりで
闘ってきたんだとおもうんですよね。
彼女がやらなくちゃいけない「世界を救う手立て」とは、
それをやるとアリス自身も死んでしまう性質のものなんです。
アリスはそれでも実行したんですね。
で、その決まりの通り彼女もまもなく死ぬというシーンなんですけど、
「でもわたしはこれまでずっと この景色を見るために闘って
きたんだ。わたしはまちがったことをしたわけじゃない。」
というような万感がアリスの表情からうかがえて、とても
美しかったです。いっそ可憐。
ミラは実年齢はもう40代にもなるころかとおもうんですけど
なんだか大人にしては 表情がどこか清新っていうか
なにかこう すれてない? 
すごくスキっとした表情でした。
つまり慣れている女優さんだったら こういうシーンのときは
こういう顔はしないだろうな。っていう顔を、
ミラはしたんですよ。
まるで18歳や17歳くらいの若い女優さんみたいな
演技をしてたんです。
それがなんだかすっごくよかったんですよね。


この映画で 不満だったところがあるとすると、

・ローラが超早めに消えた。
ラクーンシティの高層ビル廃墟で出会う仲間たちが
 どいつもこいつも安っぽく小物っぽい。

くらいです。
ローラのことについてはぜんぜん
いうほどなにも思ってはいないんですが
彼女が出演することに関してずいぶん前からメディアが騒いでたから
どんな重要な役を与えられているのかたのしみにしていたんですけど
すごく早めに死んでて なーーーーーんだ、とおもいました、っていう。
でもローラはがんばってましたよ。

ミラがラクーンシティで出会い、
その後行動をともにした仲間たちがいました。
彼らは結果的には闘いのなかで死んでいきます。
が、本来それはあとでわかることです。
最初からわかっちゃいけません。
物語の流れ上 必要な場合をのぞけば、
ふつう物語の登場人物ってのは、
自分がこの先の闘いとかで死ぬのかどうか
知らないで生きているんだし。
だからその物語を観る人たちにも
そういうことを最初からわからせちゃいけないとおもうわけです。
でもラクーンシティの仲間たちは全員 演技があまりにも 安っぽくて
すこしも存在に重みがなかったので あ、死ぬなこの人たち、って
はじめからわかっちゃいました。
脇役が締めないと映画はシャンとしないとおもうんですよねー。
アビゲイル(ルビー・ローズ)はかわいかったですが。
ほかはほぼ全員しょぼかったです。

でもローラの出番が超みじかかったことも
脇役がぱっとしなかったことも
ささいなことかもしれないです。

なんといってもミラがかっこいい!強い!
アクションがいい!
話がなかなかおもしろかった!
ゾンビが超いっぱいいて怖い!
変な巨大な怪物とかも出てくる!

すごくたのしい映画でした。
わたしはもう1回くらい観てもいい気分です。






 







弾丸京都20161204の思い出

11月に入ったころからなんだかケガがふえてきた。
今年はずっと病気もケガもあんまりしないでやってこられていて
かなりいいかんじだったのに、残念だ。
でも、病気のほうは、運よく、ほとんどしなかった。
年内ずっとこの調子で体調を崩さずにいきたい。

12月4日に、ひとりで京都に行ってきた。
朝5時に起きて6時すぎの新幹線に乗り、8時すぎごろ京都に着いた。

1日地下鉄・バス乗り放題のカードを買い、蹴上に出て、
南禅寺永観堂金戒光明寺平安神宮の順に
まわってみた。

南禅寺は豪壮でほんとにいい。でかい。たまらん。

臨済宗大本山 南禅寺

でかいことはいいことだ。
まだ紅葉をすこしは楽しむことができた。
ちょっと枯れかけていたけど十分に美しかった。

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しかしわたしはほんとに写真がへたくそだな。
感動すらおぼえるね。

シーズンはおわっていて どこもとても空いていた。
塔頭の金地院もしずかでよかった。

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水路閣につながる階段をのぼりきったところで、
すれちがいそうになった年配の男性が
すごいうめき声をあげて突然倒れた。
どうも ひきつけか・・・
てんかんの発作のようにお見受けした。
みたことがあるわけじゃないんだけど。
激しいけいれんで、階段から転がり落ちかねなかった。
まわりにいる人たちと協力して
落ちないところまで運んでさしあげたり
舌をかまないようにしたほうがいいと どこかで
聞いたおぼえがある気がして
ご本人のズボンの腰のところにさげられていたタオルを
口に入れてあげたりしてみた。
そうこうやっているうちに
150メートルくらいはなれたところに
お寺の関係者っぽい作務衣の女性が歩いているのがみえた。
それをみたわたしは「救急車を呼んでくださーい!人が
倒れましたー!」とさけんだ。
女性は気づいたらしく腕を大きくふってこたえてくれ、
お寺にかけこんでいった。
5分もしないで救急車がきた。
超あせった。
でもあとは救急車の人にまかせた。
水路閣はみないで南禅寺をあとにした。
永観堂にむかうとちゅう、おもったのは、
わたしこの1年でいちばんでかい声だしたな ということだった・・・
というかこの日はじめてしゃべった言葉が
「救急車を呼んでください」だったことに気づいた。

永観堂のお堂あたりにガイドブックを置き忘れてきた。

www.eikando.or.jp



でも予備にもう1冊もっていたので取り戻すことは断念した。

永観堂のまんまえあたりにあるお蕎麦屋さんで
お昼にそばを食べた。そば最高。
ユズのいい香りがした。

f:id:york8188:20161225170711j:plain



その近くのおみやげ・骨董屋さんで
置き物のちいさなカエルがやたらとこっちを見てきたので
買ってほしいのかな?とおもって買った。
カエルの置き物はずっとほしかった。
ほんとは、カエルが釣りをしている姿の置き物があればなーと。
京都の骨董屋さんでわたしにガンをつけてきたカエルは
釣りはしていない。岩の上で足を組んで読書をしている。
でもずいぶんこっちを見てきたので、
買ってほしいのかな?とおもって買った。

永観堂から金戒光明寺にむかう道中で転んで足をひねった。
これはやや痛かった。でもがまんした。
ムリしないでバスに乗ってしまえばよかった。

金戒光明寺もでかくてよかった。

www.kurodani.jp



通俗的な空気があるのも、なんかいいんじゃないか。
たまたま はぶりのいい檀家さんの大きな法事がおこなわれていて
にぎやかだった。
本堂の右わきにある阿弥陀如来さんが意外とでかくてきれいだった。
だれもみてなかったけど。

金戒光明寺から歩いて平安神宮に向かった。

www.heianjingu.or.jp



平安神宮はお宮よりもまわりの庭園のほうが見がいがあった。
お宮は海外からの観光客がやたらとおおくて そうぞうしく
ややヘキエキした。
庭園には、有名な古典的文学作品に登場する木々や花々が植えられていて、
その根っこのところに、作品のなかでその木や花が登場するシーンの
一文が、小さなボードに書かれておいてあった。
まあたとえばオミナエシだったら
「をみなへし秋の野風にうちなびき・・・」
とか。
いや、あくまでもたとえばね。ほんとにこの歌がオミナエシ
花壇のところに置かれていたかは覚えてないよ。
いまパッと思いついただけだから。
ていうかオミナエシがあったかどうかも覚えてない(^^)

まあそのボードをひとつひとつ読むのがおもしろかった。
どの作品も基本的に古式仮名遣いで原文がそのままかかれているのに
なんで源氏物語だけ現代語訳の文なのか謎だったけど・・・

でもいちいち読んでいたら寒くなってきたからとちゅうでやめて出てきた。

そのあと、平安神宮のはすむかいあたりにある
ロームシアター京都というコンサートホールに向かった。
スターバックスで買った飲み物とおやつを食べながら、
しばらく休憩した。

rohmtheatrekyoto.jp

15時にホールに入った。
じつをいうと今回の京都ゆきはこれが目的。

京響プレミアム 岸田繁「交響曲第一番」初演 京都公演 | 夢番地


くるり岸田繁さんが初めて交響曲を作ったというんで。
東京でも公演がおこなわれる(もうおわったかな。)のだが
そっちは仕事でいけないので、
世界初演となる 京都公演のほうに行こうと考えたわけだ。
ちょうど、オーケストラの生演奏がひさびさに聴きたいと
おもっていたところだったし
くるりも、わたし好きなので。

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聴いた感想としては、
正直、期待したほど、よいものではなかった。
変化にとぼしくのっぺりとして冗長。
美しい和音が気に入って何度も何度も響かせてみたくなったみたいな
とくに意味のないリフレインや、必要性のかんじられない
編成的な厚みがやけにかんじられてちょっと聴いていてしんどかった。
たいくつでちょっとねむくなった。
なんにせよもっとチャレンジ精神に満ちた
変化と躍動感のかんじられる音楽が ききたかったような気がする。

Tanz Walzerなどでききおぼえのある楽曲が
断片的に盛り込まれていて、それを聴くのはたのしかったが、
アレンジがどうもださかった。
ブレーメンとかもっとカッコイイ曲だとおもったんだが。

全体的なイメージとしては、
音楽的才能のある男子高校生が
はじめて書いた交響曲 みたいなかんじをうけた。
説明を求められても困る。
ただそういうふうに感じたのだ。

やっぱり岸田繁はロックだよ。
でも、べつに、本人がやりたければまた
オーケストラ曲にチャレンジすればいいんじゃないかとおもう。
「きくだけ耳障りな不愉快な音楽だ」とまで
感じたわけではないし。作り手の熱意は感じられたので。ひしひしと。
やればやるだけもっと良くなるのかもしれないし。

京都市交響楽団の演奏はかなりよかった。
ああいうちょっとメタリックな響きのするオーケストラは
たまに聴くぶんにはたのしい。いつもだとしんどいけど。

ホールを出たときには相当本降りの雨がふっていてまいった。
暗くなると街の様子も変わって見えてどこがどこだかわからんし。
ホールのまわりをむだに一周して 交番を発見し
はたちそこそこの女性のおまわりさんに
京都駅にいけるバスがとまるバス停の場所をおしえてもらい
バスをつかまえてようやく駅までもどれた。
おみやげを買ってぶじに京都を出発した。

最後だけちょっとあせったが
基本的になんの問題もなく1日 京都を楽しめた。
最大の目的であったコンサートについては
微妙な感想をもって終了してしまったが
朝からずっと京都観光をゆっくりと楽しめたのはよかった。
新幹線ではちょっと寝てしまった。

また来年1回くらいは京都にいきたい。
こんどは宇治あたりをまわりたい。







 

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016)をみた。

「ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅」(2016)をみた。

wwws.warnerbros.co.jp

この公式サイトはなかなか意欲的でいいね。

すごくよかった。
いままでどんな映画でもみたことがないような
映像をいっぱいみられた。
あとエディ・レッドメインが最高だ。
エディ・レッドメインが最高すぎる。
この映画をみたことはすごくいい思い出になった。

それぞれのキャラクターや心のなかをもう少し
しっかり描いてほしかったようにもおもう。
というのも 物語のキーパーソンはみんな、
すごい力やよい心をちゃんと持っているのに、
不器用で正直すぎるあまり、
社会でいまいちうまくやっていけてない・・・
という人たちだったからだ。
ストレートな意味でのヒーローなんかはひとりもいなかった。
みんなついつい共感してしまう いい個性があった。
個性のかたまりどもだったのだ。
もっと彼らのキャラクターをみてみたかった。
そういうこと実際けっこうやりたそうなにおいをかんじたけどねえ。
でもいろいろほかに見せ場をつくらなくちゃいけないから
時間がなかったのかもしれない。
わたしとしては、あと30分のばすか、または
ニュートのトランクの中身の世界をみせる時間を5分けずり
登場させる魔法生物を1種類でもへらしてたら
もうちょっと人間たちを掘り下げることができたんじゃないかと
おもわなくもない。
雷雨を起こす鳥とサイズが自在に変わるヘビみたいなやつは、
ばかでかいという点がおなじだから、どっちかひとつでもよかった気がする。
まあ暴論だけど(^^)

それにしてもあのコントロール不能な闇の力の
持ち主がだれか、というエピソードにはやられた。
完全にてのひらの上でコロコロ転がされてしまった。

米国の魔法界当局のエージェントたちが、
悪い魔力によってめちゃくちゃに破壊されたニューヨークの街を、
魔法でみるみるうちに復旧していくシーンがあった。
街を歩きながら杖をゆらすだけで 壊された建物とかが
全部もとどおりになっていくんだよ。
あのシーンの美しさと独創性には胸をうたれたなあ。
街の復旧作業を行う魔法使いたちがみんなモブキャラなのがよかった。
半壊したニューヨークをもとどおりにするなんて
大魔法使いじゃなくても朝飯前 というのを見せることによって、
魔法というものの強大さと底知れなさを
表現しようとしたのかなとおもうのだが。
でもそれだけでなく、
なんかとほうもなくきれいで。あのシーン。
けど いくら魔法とはいえ死んだ人や負傷者を
もとにもどすことはできないとおもうんだよね
もとにもどすというか、なかったことにするというか。
あの大騒動のなか、死人やけが人はひとりもでなかったという
ことなんだろうか(^^)
死んだ人の遺族や、けが人たちの記憶は
どうなったんだろうか。都合のよいべつの記憶に
おきかえられたんだろうか。
そこはあんまり考えない方がいいのかな?

ハリー・ポッターシリーズの舞台が英国であったせいか、
いまや魔法の世界というと思い浮かぶのは
英国、森、寄宿学校・・・という
空気があるような気がする。
魔法の世界と「ニューヨーク」といわれると
違和感をおぼえる人もいるのだろう。
個人的には、
その違和感こそがかえってよかったような気がする。
ぐっときたね あのシーンには。
あれをみるためにもう1回くらい映画をみてもいい。